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【売上アップ】マルチプロダクトでSaaS事業の売上を押し上げ!

  • 公開日:2024年1月30日(火)

 

 

今回のテーマは、「マルチプロダクトでSaaS事業の売り上げを押し上げ」です。

カスタマーサクセスが強い会社は「クロスセルが非常に強い」と言えますが、
クロスセルを狙うための新たな施策・戦略を取る企業が増えつつあります。

その戦略の具体的な内容について、例も交えてご紹介します。

SaaSの最新の経営戦略は「コンパウンドスタートアップ」

カスタマーサクセスは、日本企業では2010年代後半ごろから積極的に取り入れられ始めました。

当初、カスタマーサクセスが追いかけていた指標は「チャーンレート(解約率)」が中心でした。
2010年代後半は、多くの日本企業が「一つのSaaSのプロダクトで売り上げを伸ばそう」としていた会社が多くありました。
単一のプロダクトで新規顧客を増やし続けつつ解約を防ぐということが、カスタマーサクセスの主な役割だったのです。

ただ、1つのプロダクトが「成長し切った後」のフェーズの企業では、さらに次のフェーズに進もうとしています。
日本の大手SaaS企業は「コンパウンドスタートアップ戦略」を取る企業が増え始めているのです。
LayerX代表取締役の福島さんが、この概念をブログやメディアの取材などでよく話されています。

SaaSの世界で先を行くアメリカでは、複数製品からなるスタートアップの成長戦略が非常に流行っています。
コンパウンドとは、日本語で「混合物・混ざっている」という意味合いです。

つまり、単一企業においてさまざまな機能を持つ、複数の製品を扱っていく戦略こそが「コンパウンドスタートアップ戦略」です。
コンパウンドスタートアップ戦略を取るメリットは、「新規の顧客獲得コストが減る」ことにあります。

例えば、ある企業の取り扱い製品の中で「経理ツール」と「請求書管理ツール」の2つがあるとします。
どちらもお客様の層(ターゲット)は同様であるため、2つのツールを扱うことで新規顧客を獲得するコストは単純に半分になります。

そもそも、お客様と新しい取引を始めるのは非常に大変です。
広告宣伝費をかけ、リード情報やお客様のアプローチリストを獲得し、そうした方々との商談を進めていく必要がありますし、
同時並行で新規広告を出稿したり、営業担当の人件費のコストもかかります。

しかし、既存顧客に向けて自社の他製品を「これもありますよ」と提案することができれば、上記のような経費(営業経費やマーケティングコスト等)を減らすことができるのです。
これらを戦略的に行うことで、顧客獲得コスト(Customer Aquisition Cost:CAC)も下げることが可能です。

マルチプロダクトで顧客獲得コストが抑えられる!

openpageでもクラウドサービスのfreeeを使っていますが、
freee社もコンパウンドスタートアップに近い戦略を取っていると思います。

freeeはもともと、経理向けツールからスタートした会社です。
その後、人事当務向けのツールも作っています。
さらに、企業向けのクレジットカードサービスや、オンラインで登記・契約管理ができるツールも展開しています。

freee社は経理・会計・人事領域から始まり、徐々に契約管理・登記等の法務領域にまで製品が広がっているのです。
最近では、工数管理や販売管理といった営業領域のツールも出しているようです。

freeeが扱っている複数の製品は、戦略的に自社で新規事業開発する、
もしくは、すでに製品があり、顧客ネットワークを持つ企業をM&Aで買収することで、製品を拡大していくことが多くあります。

freeeのカスタマーサクセスでは、顧客との取引開始後に、freeeの様々な製品をクロスセルしていくチャンスが生まれるのです。
そうすることで、顧客獲得のコストが低く抑えられ、事業運営のコストパフォーマンスも非常に高くなります。

既存顧客から売上を高めるNRR(Net Revenue Rate)という指標はこれまでも紹介してきましたが、クロスセルはNRRと大きく関連しています。

クロスセルの売上や社数を目標に入れる会社はもともと多くありましたが、
直近では「NRR」を指標として置くケースも多いように感じます。
特にSaaSの会社では、NRRはもはや「当たり前の指標」になってきています

会社経営的には顧客サポートよりもセールス活動を強化して売上を上げていきたいはずです。
カスタマーサクセスにリソースを割いている企業では、
既存のお客様向けのサポート業務やオンボーディング業務はなるべく「テックタッチ」に変え、
ハイタッチで対応すべき顧客に対しては、なるべく営業的な目標を設定し、クロスセルを追うような仕事にリソースを割くケースも増えてきているように感じます。

実はカスタマーサクセスのパイオニアであるsalesforceも上記の流れになってきているのです。
salesforceでは、ハイタッチのカスタマーサクセスは、もはや基本「有償」かつ「エンタープライズ向け」にしかやっていません。

日本の会社も、どんどんsalesforce的な動きに近づいていくのではないでしょうか。

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