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【解禁】リツイートされまくった有料級noteを解説!

  • 公開日:2022年10月31日(月)

 

 

今回は、Openpage代表・藤島が、
大手企業様で有償のセミナーを実施し、数百名の方にご参加いただいて、
「カスタマーサクセスのイメージが非常によくわかりました」
「こういう取り組みをしてこういうふうになればいいですね」
といったコメントをいただいた、非常に好評だった内容をお届けいたします。

より詳しく知りたい方は、代表・藤島のnoteの記事もご参照ください。

カスタマーサクセスと事業フェーズの考え方

カスタマーサクセスで成功している企業の「事業フェーズ」は注視すべし

まず、カスタマーサクセスを考える上でそれぞれの事業には「フェーズ」があることを意識しよう、という話からです。

カスタマーサクセスはまだまだ新しい領域ではあるものの、徐々に「ノウハウ」が普及し始めています。
ただ、そのノウハウを語れる方はだいたい有名企業(メガベンチャーなど)に在籍されており、「それなりに事業が大きくなって、結果としてカスタマーサクセスもうまくいっている方々」がノウハウを語っているという側面もあります。

その意味では、彼らのノウハウは、自社事業よりも二歩三歩先を行った体制や施策に関すること、というケースも多いでしょう。

こういったノウハウが想定しているフェーズが自社のフェーズと違うと、話がかみ合わなくなってきます。
これはカスタマーサクセスに限った話ではないですが、
自社の今の事業フェーズに即したカスタマーサクセスの組織の設計や、施策・取り組みをすることが望ましいです。

例えば、藤島が前に働いていた会社は従業員数も1000人以上在籍していたので、カスタマーサクセスの仕組みもかなりしっかりしていました。
藤島が現在経営しているOpenpageという会社では、30〜50人といった小さな規模の組織なので、1000人超の組織と同じやり方でカスタマーサクセスをやろうと思ってもできないし、全然やり方が違ってきます。

改めて、「自社の事業と、ノウハウを語っている方々の事業のサイズ感は違う」ということを意識しながら、ノウハウを聞くのが良いでしょう。

自社の事業の「サイズ感」に合った情報をどう取るべきか?

一方で、自社のフェーズやサイズ感を理解した後、
「自社のサイズ感に合った情報をどう得るか」も難しいように感じてしまうのではないでしょうか。

結論から言えば、セミナー等で直接講師の方に聞いてしまった方が早いでしょう。

例えばオフラインのセミナーであれば、セミナー終了後に講師の方に直接、
「今日のお話とても良かったです、ちなみに3年前ぐらいってどんなことをやっていたのでしょうか?」
「自社の事業ではまだ立ち上がり段階ですが、立ち上げ時のお話を聞かせてくれなませんか?」
といったように、自社のフェーズに沿った話を直接情報収集しにいくことが重要です。

事業フェーズごとにすべきカスタマーサクセスの取り組みとは!?

事業フェーズごとのカスタマーサクセスの取り組みとして異なるポイントとして、大きく4つのポイントがあります。

事業フェーズごとのCSの取り組み①:リソースのかけ方

「どれくらいのリソースをかけて、カスタマーサクセス活動を行っていくのか」は事業フェーズごとによって全然違っています。

例えば、
「専任のカスタマーサクセス担当を組織に置けるか?」
「カスタマーサクセス専任チームを作れるのか?チームの規模はどのぐらいか?」
といった観点です。

会社や事業によって組織の規模も違いますので、カスタマーサクセスへのリソースのかけ方は結果的に大きく異なってくるでしょう。

事業フェーズごとのCSの取り組み②:CSのデータの計測や利用の仕方

カスタマーサクセスの取り組みに関するデータをどの程度計測可能、
かつ利用できるものにするのか、という点も、事業フェーズによって大きく異なります。

カスタマーサクセスでは「ヘルススコア」という概念があります。
実は、ヘルススコアはある程度大きな規模感の組織でないと、うまく作ることが難しいのです。

最初は複雑なKPIや目標値を設定するのではなく、
シンプルなデータを「計測可能な状態」にするところから始めるべきです。
データの計測環境も事業フェーズによって異なるので、どう計測するか、は意識しておくべきポイントです。

事業フェーズごとのCSの取り組み③:「人の体験」「デジタルの体験」の使い分け

カスタマーサクセスの施策としては「テックタッチ」「ハイタッチ」というキーワードがありますが、事業の初期フェーズでいきなりテックタッチ施策を進めるのは現実的ではありません。

とはいえ、「ハイタッチで全てやり切る」というのもなかなか難しい側面があるため、
どこかでハイタッチとテックタッチをうまく棲み分けながら、取り組みを進めていく必要があります。

事業フェーズごとのCSの取り組み④:CSにかけるコスト

1点目のリソースとも近いお話ですが、
カスタマーサクセスの活動にどのぐらいコストをかけるか、というのも事業フェーズや会社の規模によって大きく異なります。

フェーズごとの組織規模感のイメージ

フェーズごとに異なるカスタマーサクセスの取り組みに関するポイントとして、4つをご紹介しました。

ここからは、上記4つのポイントが会社のフェーズによってどう変わっていくのか、という観点でご説明します。

カスタマーサクセスにかけるリソース

かけられるリソースは、事業の立ち上げ期なのか、
あるいはある程度立ち上がって仕組みや運用がもうしっかり回っているか、によって変わってきます。

どんな事業もそうですが、事業立ち上げ期のカスタマーサクセスは、できるだけ「経営陣の方や立ち上げのメンバーの方々」がやった方が良いでしょう。

なぜなら、事業立ち上げ期は
「そもそもどういう製品がお客様の期待に応えられるのか」
「そもそもどういうふうに販売するとお客さんが買ってくれるのか」
「契約をより維持してくれるのか」
というポイントがわからない、あるいは検証が必要であることが多いのです。

つまり、立ち上げ期は一旦仮説ベースで「なんとなくこんな感じかな」と決めたものを前に進めていくという形で始まるので、
仮説をしっかり検証して確実に事業に落とし込んでいくために、
最初はカスタマーサクセス活動も、「事業を立ち上げた人たち」がやった方が良いでしょう。

その上で「この製品はこういうお客さんに、こういうポイントで使ってもらえるんだな」とわかるでしょうし、
「こうやったらどんどん販売できるな」というのが固まってくると思います。

そうなってから初めて、カスタマーサクセスの専任担当にバトンタッチして、
徐々に各担当がカスタマーサクセスとしてお客様をフォローアップしても、ちゃんと運用が回るような仕組みにしていく必要があるのです。

データ計測

事業立ち上げ期は、そもそも「アカウント数」「ログインユーザー数」といった基本的な情報を計測していくことが、ヘルススコアを作るよりも断然優先度が高いです。

そもそも、「アカウントがどれだけ作られてるかわからない」「ログイン数がわからない」といった事象が発生してしまうと、ヘルススコア以前の問題になってしまいます。

まずは「どれだけアカウント作られてるのか」あるいは「どれだけログインがされているのか」を計測し、
その次のステップとして「製品として一番大事にしたい基本の機能がちゃんと使われているのか」をデータとして取得していくべきでしょう。

その上で、少しずつヘルススコア的な情報を意識していくことができます。

例えば自社のWebサイトへのアクセス情報や、マーケティングオートメーション(MA)ツールをベースとして、
「お客様が自社のカスタマーサクセスとしての情報発信に、どれだけ反応してくれたのか」というデータを取れるようにしていきましょう。

具体的には、「セミナーに参加してくれているか?」「資料をダウンロードしてくれているか?」といったデータです。

カスタマーサクセスで話題に挙がることの多い「ヘルススコア」という概念は、
どんな「変数」があると解約されやすい、もしくは契約を拡大しやすいのか、というポイントを統計的な手法で分析する必要があります。

分析自体大変な作業で、事業立ち上げフェーズのベンチャー企業にこんな分析をできる人材はなかなかいないものです。
分析の勉強もぜひしていただきたいですが、「例えばこの数字が変わると解約率が何%変わる」みたいなところまで考えようとすると、ただ勉強するだけではなかなか難しい。
会社が上場するタイミングや、売上が数十億円に到達するといったフェーズになって、そういった人材の採用や登用を検討することが現実的なのではないでしょうか。

そのため、まずは「自社でできることのレベル感を把握して、そのレベルでできる以上のことはしない」ということが重要です。

それこそ、初期フェーズでは「各お客様企業がいくつのアカウントを作っているのか?」を計測するだけでも十分なのです。
かっこいいツールを使う必要もなく、スプレッドシートで管理するだけでも良いでしょう。
「月1回ログインしてるか、してないか?」といったデータでも、ないよりはマシです。

まずはデータを計測して可視化するための仕組み作りを進めることが重要です。
事業がそのレベル感になったときに、そのレベル感に合った人をチームに入れる、という動きをした方が良いでしょう。

「人」と「デジタル」の使い分け

事業立ち上げ期のカスタマーサクセスの活動では、
経営者の方や事業立ち上げ推進者が、最初はハイタッチ、つまり「人」で直接、お客様と対面して、自社製品を通じたお客様の支援を行います。

一方で、「人」でフォローし続けると、いつか労働集約的な業務では回らなくなってきます。
少しずつ「カスタマーサクセスを実現するための工程」を考える必要が出てくるのです。

「工程を考える」とは、お客様へのフォローの順番やフォロー内容・プロセスを体系的に整備することです。
つまり、「XとYとZがあったら、うちのカスタマーサクセスはうまくいく」というモデルを決めることです。

そのモデルを決める中で、「別に省いても問題ない工程」も炙り出すことができます。
事業がどんどん成長するに従って、カスタマーサクセスとして新しく入社した人も、このモデルに従ってやればうまくカスタマーサクセスの取り組みができる、という仕組みを作れるかが重要です。

モデルを決めれば、デジタルのツールも入れやすくなります。
お客様に対して「人」で案内している内容のうち、「デジタル」に切り替えられるものはどんどん切り替えていきましょう。

デジタルツールの活用も最適化されれば、
お客様の数が増えても、再現性をもってカスタマーサクセスの工程が完結できるようになりますので、
「人」と「デジタル」をどううまく使い分けるか?を意識しながら工程設計をしていくことが重要です。

カスタマーサクセスのコスト

アメリカの上場しているSaaS企業では、
カスタマーサクセスに「売上の10%程度」のコストをかけているという調査結果があります。

これはアメリカのベンチャーキャピタル(VC)の方がおっしゃってるんですけれども、
「売上の10%程度」は事業が成長した企業がかけているコストの割合であって、
事業立ち上げ期はむしろ、売上の20〜30%をカスタマーサクセスのコストとして投資して、
事業成長とともに徐々にコストを効率化して10%に収束させていく、という経営の仕方が望ましいとアドバイスされているのです。

カスタマーサクセスのコストの多くは「人件費」です。
つまり、「人」でお客様のフォローアップをするための人件費ですね。

他には、例えばイベントを開催したりお客様にマニュアルを配ったり、そういったプログラムを作るための費用や、
カスタマーサクセスのデジタルの分析ツールやテックタッチのツール等に投資をしていくと良いでしょう。

先ほどご紹介したVCの方のアドバイスで「事業成長の過程で、カスタマーサクセスにかけるコストも徐々に効率化させていくべき」という言葉がありましたが、
アメリカの会社は実際にどのように効率化を進めているのでしょうか。

実際のところ、事業立ち上げの段階では人件費率をものすごく高い状態にした上で、
徐々に人件費からデジタルのコミュニケーションツールへの投資比率を高めていくことで、人件費の最適化をしていっているそうです。

このように聞くと「1つの事業で人件費が効率化できて、その事業に必要となる人が少なくなる、つまり人材が不要になるのでは?」という疑問を持った方もいらっしゃるかもしれません。

「事業に必要となる人が少なくなる」ことは決して悪いことではなく、むしろいいことです。
なぜなら、1つの事業で減らすことができた人件費分を新しい事業に投資して、また新しい事業を立ち上げていくという好循環が生まれるからです。

会社は単体の事業だけではなく、複数の事業をどんどん立ち上げないといけません。
人の配置を変えて、その立ち上げに人件費を充てていくということを繰り返していくことが、カスタマーサクセスとしての理想的なお金の使い方ではないかと考えています。

今回の記事の元となったnoteはこちらから

ベンチャー経営フェーズごとのカスタマーサクセスまとめ (シリーズA、シリーズB〜、IPO直前)

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