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【有償級】カスタマーサクセスの「投資金額目安」を徹底公開

  • 公開日:2023年8月15日(火)

カスタマーサクセスにいくら投資すればいいのか、何名体制がいいのか、チャーンレートはどれだけで、クロスセルアップセルはどれだけ必要か…など相談をopenpageでは多く受けます。
openpageで伝えている数値の目安を共有し、カスタマーサクセスの経営・財務の数値参考にしていただきたいと思います。
結論を先に述べると、ベンチマークするべき数値は下記です。

結論「カスタマーサクセス指標のベンチマーク」

・CRC(カスタマーサクセスのコスト)=ARRの10%目安
・内訳は、ARRの9%を人件費、1%をツール費に投資
・目標NRR110%以上: 月次解約率は1%、月次エクスパンション金額がARRの2%

CRC(カスタマーサクセスのコスト)=ARRの10%目安

Salesforceなど上場SaaS銘柄のカスタマーサクセスに投資しているコスト=カスタマーリテンションコスト(CRC)はARRの10%前後を推移しています。

一般的なSaaSのカスタマーサクセスコストはスタートアップのラウンドを超えるごとに適正化され下がる推移を見せます。
シリーズA:30%→シリーズB:25%→シリーズC:20→シリーズD〜上場前:15%→上場後:10%のようなイメージです。

ラウンドが進むごとに製品機能が増え、サービスも安定し、カスタマーサクセス業務自体の効率化も図られることで、コストが最適化していくのです。

また、カスタマーサクセス活動自体を黒字化していくためには、ARR/CAC比率(カスタマーサクセスコスト)<NRR(売上継続率)にする必要があります。
つまり、カスタマーサクセスにARRの10%のコストを割いたなら、結果としてのNRRは110%(10%以上の売上増)を実現することが望ましいです。

そうしなければ、カスタマーサクセスにコストを割いているにも関わらず売上が追いついていない(赤字になっている)ということになってしまいます。

上場企業のNRR平均は110%弱ですので、上場に行き着くまでにカスタマーサクセス活動を効率化し、ARRの10%以下のコストで運用可能な体制を作ること。これはベンチャー企業としてのカスタマーサクセスの重要なマイルストーンになるでしょう。

openpageの支援:

openpageではカスタマーサクセスコスト削減のためのハイタッチDXとテックタッチ導入でのご支援をしています。
製品特徴によって、ハイタッチをデジタルで効率化するのか、テックタッチを実現しそもそもハイタッチを無くしていくのか方針を決めています。
いずれにせよカスタマーサクセスコストを最適化することは全てのSaaS企業でマストのアクションになるため、いかにカスタマーサクセス担当の負担を軽減するのかに全力を注いで支援をします。

カスタマーサクセスコストの内訳は、ARRの9%を人件費、1%をツール費に投資

カスタマーサクセスの内訳は9割は人件費になります。そして1割をツール予算に割くことが一般的です。

例えばARR3億円であれば、年間3,000万円がカスタマーサクセスの総コスト。月に250万円。とすると、月25万円はツールコストに割いて、月225万円は人件費に割く。月40〜50万円の給与のメンバーであれば4〜5人程度と計算がつきます。

しかし、前述したように、スタートアップの資金調達ラウンドによってコスト感は変わってきます。
ARR3億円であればシリーズB程度と思われるので、その2〜2.5倍はコストが割かれている。つまりカスタマーサクセスは8〜10名程度いる、というのが実態に近いです。

カスタマーサクセスのツールは、主に①サイト、②スコアリング/BI、③サイト内ナビゲーションに投資します。

カスタマーサクセスコストを削るとは、ベンダーの人件費を削る、つまり人手を割かなくてもサービスが運用可能な状態にするということで、これは顧客にセルフサービスを担っていただくということになります。

人でサポートしなくても顧客が自身で製品活用ができる環境が構築できればカスタマーサクセスコストを減らすことが可能です。

openpageの支援:

カスタマーサクセスコストの削減は顧客のセルフサービス化を強く推し進める必要があるため、openpageを土台にどれだけお客様が自ら課題解決できるかに主眼を置きます。
openpageはカスタマーサクセス用のサイトシステムなのですが、zendeskのようなヘルプサイトシステムと比較したときに、100倍以上のトラフィック(アクセス数)と滞在時間の差が出ることが多いです。
というのも、カスタマーサクセスの説明工数(カスタマーサクセス人数×1時間のMTG案内×複数回数の実施×複数社分)を計算した時に、かなりの滞在時間をユーザーに強いらなければ、セルフサービス化の実現は出来ません。
そのため、カスタマーサクセスが行なっている案内の時間をデジタルで担保するための情報設計にかなり時間をかけて支援をしています。

目標NRR110%以上: 月次解約率は1%、月次エクスパンション金額がARRの2%

上場企業の平均NRRは110%弱であり、それを実現するには月次解約率1%、月次エクスパンションはARRの2%(年間でARRの24%)の数値達成が必要です。

カスタマーサクセスはまず単一製品をローンチし、月次チャーンレートは3〜5%と高い数値での事業スタートになることがあります。いわゆるPMF前の状態です。

このときのカスタマーサクセスは、解約率を減らすために、顧客価値/顧客満足度への実現に向けた提案やサポートに集中し、月次解約率を1〜2%に下げることが主な目標になります。

そして、シリーズCあたりを目安に、他プロダクトの販売やコンサルティング/BPO/オプションの単価アップにより、マルチプロダクトによる売上向上を狙います。

目標は売上ベースで月次でARRの2%以上の営業売上をカスタマーサクセス活動で(つまり既存顧客で)立てることです。

例えばARR3億円なら、ARR比の2%、つまり毎月600万円のクロスセル・アップセルが生まれており、年間で7,200万円の売上を既存顧客で計上するような計算です。

年間で24%の既存売上計上と考えると、相当シナジーのある製品設計と、営業連携・営業強化が必要な数値感であることがわかります。

最近のカスタマーサクセスにおける営業重視は、2020年あたりに資金調達を重ねて、マルチプロダクト化しているSaaS企業が、上場に向けたNRR改善のために既存顧客の営業売上計上に躍起になっていると捉えることも出来ます。

openpageの支援:

カスタマーサクセスの初めはハイタッチによる解約率削減を狙いとする企業が多いため、まずはハイタッチのタスクや案内の型化、VoC蓄積によってサービスを安定化しせるための支援をします。
またすでに解約率が低くマルチプロダクトを志すSaaS企業に対しては、クロスセルストーリーの構築と、そこから逆算した営業提案のシナリオ、それを再現性を持って提案できるマネジメントの仕組み作りをopenpageの機能を活用し、支援することが多いです。

まとめ

カスタマーサクセスを上場企業のエクセレンスカンパニーレベルに磨き上げるには、①カスタマーサクセスコストの最適化 ②チャーンレートの抑制 ③クロスセル/アップセルの金額アップ という3点を強化し、筋肉質な組織にしなければなりません。

openpageは豊富なカスタマーサクセスの経験から組織作りを手助けします。カスタマーサクセスに投資を考える企業様はぜひお問い合わせください。

Topics: 代表ブログ

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