営業の仕事で、お客様と向き合う時間はどれくらいありますか?
多くの営業組織でヒアリングすると、1日のうちお客様と対話している時間は3割にも満たない、という答えが返ってきます。残りの7割は何をしているかというと、
- 商談前の資料準備とページ組み立て
- 商談中のメモ取り
- 商談後の議事録作成とSFA入力
- 次回提案のストーリー設計
- 社内への案件状況報告
- お客様への追客メールと資料送付
ほぼ全部、書類仕事です。
営業がやりたいのは、お客様の課題を解きに行くこと。でも実際には、お客様に向き合うための準備と後処理に時間が溶けている。これが、SFA(営業支援システム)を入れても営業成果が上がらない根本の構造です。
この問題を解きにいくのが、近年BtoB営業で注目されているデジタルセールスルーム(DSR)という仕組みです。本記事では、デジタルセールスルームが営業の工数をどう削減するのか、SFAとの違いは何か、そしてなぜ現場に定着するのかを、営業フェーズ別に解説します。

デジタルセールスルーム(DSR)とは
デジタルセールスルーム(Digital Sales Room、略してDSR)とは、お客様ごとに専用のWebページを作り、商談に関わる情報・資料・タスク・議事録を一元化する営業支援の仕組みです。
従来の営業は、メール・添付ファイル・SFA・社内チャット・PowerPointがバラバラに存在していました。DSRはこれを「お客様の専用ページ」に集約し、お客様とも共有します。
海外ではGartnerが2023年のレポートで「BtoB購買体験の次のスタンダード」として位置づけ、国内でも導入が広がり始めています。弊社のopenpageは、国内のデジタルセールスルーム領域で先行する製品です。

SFAとの違い
デジタルセールスルームの話をすると、必ず「SFAと何が違うのか」と聞かれます。重要な違いは、誰のためのツールかという点です。
| SFA | デジタルセールスルーム(DSR) | |
|---|---|---|
| 主な使う人 | マネージャー・経営 | 営業担当者・お客様 |
| 目的 | 案件管理・予実管理 | 商談推進・顧客対話 |
| 現場の負担 | 入力工数が増える | 営業活動そのものが記録になる |
| お客様の関与 | なし(社内ツール) | お客様と共有して使う |
SFAは「営業を管理するためのツール」なので、現場にとっては入力工数が増えます。だから多くの企業で「SFAを入れたけど現場が入力しない」という問題が起きる。
デジタルセールスルームは逆です。営業担当者が本来の営業活動をするだけで記録も管理も進む。しかもお客様と共有するので、商談も前に進む。この違いが本質です。

ここからは、デジタルセールスルームが営業の各フェーズでどう工数を削減するかを具体的に見ていきます。
商談前の工数削減:資料を一から作らない
従来の営業は、商談ごとに提案書を作り直します。前回の議事録を見返して、お客様の関心に合わせてスライドを並び替えて、過去事例を探して、競合比較を入れて——これだけで2〜3時間かかる。しかもその提案書は、商談が終わったら誰も開かない。
デジタルセールスルームでは、お客様ごとの専用ページを作ります。ここに、
- 前回議事録
- 今回のアジェンダ
- 関連する過去提案
- お客様の業界に合った事例記事
- 比較資料
- 動画
をまとめて置ける。しかもテンプレートから起こせるので、2〜3時間かかっていた準備が15〜20分に縮む。
一度作ったページは次回も使う(追記していく)ので、商談を重ねるごとにゼロから作る必要がなくなっていく。これが「ページで営業する」の工数的な意味です。

商談中の工数削減:議事録を取らない
営業中にメモを取るのは、思っている以上に負担です。お客様の話を聞きながらキーボードを打つと、話を深掘りする集中力が削がれる。かといって商談後にゼロから思い出して書くと、1時間の商談で30〜60分かかる。
デジタルセールスルームが浸透した営業組織では、商談中はお客様のページを一緒に見ながら進めます。「次のアジェンダはこれですね」「ここで資料をお見せします」「次回までのタスクはこの3つで良いですか」——これをページ上でそのまま確認する。
商談中に扱った内容がそのままページに残るので、議事録を書き起こす作業がほぼ消える。この一点だけでも、営業担当者1人あたり週に3〜5時間が戻ってきます。

商談後の工数削減:次の一手を考える時間を減らす
商談が終わった後、営業は「次、何を送ろう」「次回のアジェンダをどう組もう」を考えます。これが地味に重い。頭の中で過去の商談を思い出し、お客様の関心度を推測し、競合情報を加味して、次の一歩を決める。1案件あたり20〜30分かかる。10案件抱えていれば、週に数時間が吹き飛ぶ。
デジタルセールスルームでは、お客様がどのページを何回見たか、どの資料をダウンロードしたか、どのタスクを完了したかが全部データで見えます。だから次の一手が、「推測」ではなく「お客様の実際の関心」から決まる。
「本部長向けの資料を3回開いていたから、今度は本部長説明用のサマリーを送ろう」
「料金ページを土日に見ている。社内で稟議の準備に入っている可能性が高いから、ROIシートを送ろう」
これが20〜30分の判断工数を、5分に縮める。

追客の工数削減:メールと資料送付の負担をゼロに
営業の追客メールは、よく似た内容を何度も書き直しています。「先日はありがとうございました、添付資料をご確認ください」「以前お話ししたXXの件、こちらの事例が参考になります」——これを毎週、何件も。
デジタルセールスルームがあると、お客様の専用ページを更新するだけで追客が済みます。資料を追加したら「新しいコンテンツが追加されました」とお客様に自動で通知が飛ぶ。添付ファイル付きメールを打つ必要がない。
これが追客の工数を半分以下にします。しかも、お客様側も「毎回メールで添付ファイルが送られてきて、どれが最新か分からなくなる」ストレスから解放される。双方にとって楽です。

社内伝播の工数削減:お客様の社内説明をお客様の工数ゼロで実現する
営業の最後の仕事は、お客様の社内決裁をサポートすることです。多くの場合、お客様担当者が自分で社内説明資料を作って、上司や経理に説明します。
ここで何が起きているか。お客様の担当者は、営業からもらった資料をダウンロードして、自分で編集して、上司に送っています。このお客様側の二次加工の工数が、商談を遅らせる一番の原因です。
デジタルセールスルームでは、お客様がワンクリックで上司や関連部署をページに招待できます。招待された人はログイン不要でそのまま閲覧できる。資料を加工する必要がない。しかも、営業側は「上司が見始めた」「経理が料金ページを開いた」が全部見える。
お客様の社内説明の工数が減る。
営業は社内の誰が興味を持ったか分かる。
社内決裁が早く進む。
商談のリードタイムが伸びる最大の原因は、お客様社内の説明プロセスが止まることです。ここの工数をデジタルセールスルームが肩代わりすることで、営業の追客負担も、お客様の説明負担も、同時に軽くなります。

デジタルセールスルームが営業現場で定着する理由
ここまで営業フェーズ別に工数削減の中身を見てきました。改めて整理すると、デジタルセールスルームは「お客様体験を良くするツール」として語られることが多いですが、それは結果の話です。本丸は、
営業担当者の書類仕事を減らして、お客様に向き合う時間を取り戻すこと
営業の工数が減って、お客様に向き合う時間が増えるから、結果としてお客様体験も良くなる。この順番が大事です。
SFAと対比すると分かりやすい。SFAは管理のための入力工数が増えるツール、デジタルセールスルームは本来の営業活動をするだけで記録も管理も進むツール。この違いが、現場に定着するかしないかを分けます。
営業担当者が「毎日openpageを開いたほうが、仕事が早く終わる」と実感できる状態。これを私たちはマストハブ化と呼んでいます。マストハブ化が起きれば、商談リードタイムが長い問題も、お客様の社内説明が止まる問題も、追客が後手に回る問題も、全部一気に解けます。

まとめ:営業DXで現場が使うツールの条件
営業組織のDXで、「ツールを入れたけど現場が使わない」という失敗の9割は、そのツールが現場の工数を増やしているからです。管理する側にとって便利でも、使う側にとって負担になるツールは必ず廃れます。
デジタルセールスルーム(DSR)は、現場の営業担当者の工数を減らすことから設計されています。だから使われる。使われるからデータが溜まる。データが溜まるからお客様の関心が見える。関心が見えるから営業が勝てる。この順番が、SFAとは逆です。
もし今、営業チームが「資料作成」「議事録」「SFA入力」「追客メール」に時間を取られていて、お客様と向き合う時間が足りないと感じているなら、まずは資料で詳細をご確認ください。openpageのデジタルセールスルームの機能、導入事例、料金体系まで、1冊にまとめています。
書類仕事に埋もれていた営業の時間を、お客様のために取り戻しませんか。


