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米国に学ぶカスタマーサクセスにおけるテックタッチの方法

  • 公開日:2022年7月1日(金)

「カスタマーサクセスにおけるテックタッチには、どのような方法で取り組むのがいいのだろう?」カスタマーサクセスの担当者の中には、このような悩みを持つ人も多いです。

テックタッチと一言でいっても、方法やツールは様々であり日々進化しています。

カスタマーサクセスという考え方は米国発祥であることから、米国では日本よりも数多くの手法やツールが存在し、テックタッチの取組みが普及しています。

そこでこの記事では、米国での取組みを参考に、カスタマーサクセスにおけるテックタッチの重要性や成功のための考え方、方法やツールについてまとめます。新しくテックタッチの取り組みを始める方や、現状の取り組みを進化させたい方は参考にしてください。

テックタッチとは?その重要性とは?

テックタッチとは、別名Degital Touch(デジタルタッチ)と呼ばれ、主にSaaSビジネスにおいて顧客に対してデジタルツールを使ってコミュニケーションを取る手法を指します。契約後の顧客をLTVで分けた際に、高単価顧客には対面の専属担当者をつける(ハイタッチ)ことに対して、専属担当者をつけられない場合のアプローチ手法として確立されました。

テックタッチを活用することで、1人の担当者が一度に多くの顧客へのアプローチができるようになり、効率的にコミュニケーションがとれます。適切なテックタッチの手法を取れば、顧客の自己完結型のソリューションを推進でき、ロングテールの収益の確保にもつながります。

米国では地理的要因もあり(都市間の距離、東西の時差)テックタッチの手法が進化し、今ではLTVに関わらずテックタッチの取組みは重要性を増しています。さらにコロナ禍がビジネスを直撃し対面でのコミュニケーションが難しくなっていることから、米国のみならず世界中でテックタッチの重要性が広まっています。

テックタッチの役割や手法を詳しく知りたい方は、こちらの記事もご一読ください。
効率的なカスタマーサクセスにはテックタッチが重要!役割や手法も解説

テックタッチを成功させるための3つのキーワード

テックタッチが成功している状態とは「顧客に専属担当者がつかなくても、顧客がサービスを使いこなし、顧客の事業がうまくいっている状態。その実現のためにデジタルアプローチで顧客の成功を手助けできている状態。」です。この章では、テックタッチの取組みを成功させるために頭に入れたい3つのキーワードをご紹介します。

顧客案内の自動化 - Automated

テックタッチで行われる全ての顧客案内は自動化しましょう。顧客のカスタマージャーニーを作成し、この機能を使った後は、この機能を案内するなどを明確化します。多くの顧客を一度に担当する場合でも、顧客案内が自動化されていればシステムが最適なタイミングで最適なフォローをしてくれます。

個人ごとに最適な情報配信 - Personalized

テックタッチでは一律に同じ情報を提供するのではなく、顧客ごとにパーソナライズされた情報の配信を心がけます。顧客の属性(企業規模や業種)だけでなく、サービスの利用状況を分析し接触することが望ましいです。アカウントのアクティベーション状況、ログイン履歴、サービス滞在時間などの指標を活用します。

顧客がいつでも学べる体制づくり- Self Service

顧客が欲しい情報にいつでもアクセスできる状態を整えておきましょう。顧客は問い合わせに対する回答を待つ必要がなく、その場で自ら問題を解決できます。問い合わせ対応に割く人的リソースを減らすことができるだけでなく、顧客の自走を促すことはさらなるサービスの利用促進へとつながります。

米国におけるテックタッチの方法

この章では、米国で取り入れられているテックタッチの方法をご紹介します。一つ一つの手法は従来のマーケティング、カスタマーサポートで対応していた業務と似通っています。数多くの手法があるため、目的によって組み合わせて活用することが大事になります。

コンテンツ配信

・ニュースレター配信

定期的なニュースレター(メルマガ)の配信は多くの企業で使われている手法です。

配信内容は、基礎的な製品説明や機能紹介から、最新の業界情報や顧客インタビューなど様々です。Hubspotや SalesforceなどのCRMツールが使われます。

・オンデマンド動画配信

製品の使い方動画、ウェビナーやイベントのアーカイブをオンデマンド動画として配信します。既にコンテンツがある場合は、ZoomやYoutubeを活用すれば気軽に取り組めます。視聴状況について詳しく分析をしたい場合は、eWebinerなどの動画配信プラットフォームを使うことで高度な分析と顧客コミュニケーションが可能になります。

・ホワイトペーパー/eBook配信

機能説明やケーススタディ、業界リサーチをホワイトペーパーやeBookの形で配信します。マーケティングの段階で活用していたものを、再利用することもできます。

・学習サイト

顧客がいつでも必要な情報にアクセスできるよう学習サイトを用意します。契約直後のオンボーディングに必要な設定から、サービスを使いこなすまでに必要な製品の機能紹介や利用ノウハウをまとめることができます。米国では、skilljarのような顧客トレーニングツールが、日本では当社が提供するopenpageが存在します。

カスタマーサポート

・FAQの作成

FAQ(よくある質問)はカスタマーサポート分野における代表的な取り組みです。Zendeskのようなカスタマーサポートツールを使って、顧客が疑問にいつでもアクセスできる状態にしておきましょう。

・チャットボット

多くの企業がチャットボットを使って顧客の一次対応を行うようになりつつあります。米国ではZendeskを筆頭に様々なツールがありますが日本語対応していない場合もあり、その場合は国産サービスを検討しましょう。

・ヘルプデスク

契約後の顧客のため専用のヘルプデスクを用意します。FAQやチャットボットがあっても、企業の担当者と直接話したいというニーズはまだ存在します。非専属の担当者をおき、電話やメール、チャットができる体制を作ることで安心する顧客もいます。

オンラインコミュニティの生成

顧客同士が情報交換できるオンラインコミュニティです。疑問や質問を投稿したり、ベストプラクティスの共有ができるスペースを作ることで、立場の似通った別企業の担当者からアンサーを得ることができます。簡単に始めたい場合にはFacebookでクローズドなコミュニティを作ったり、力を入れたい場合はInSidedのような専用のソフトウェアを導入することもあります。当社が提供するopenpageにも実装されています。

聞き取り調査/サーベイ

定期的に聞き取り調査を行い、顧客の満足度を図ることも重要です。満足度調査やNPS調査を通じて、スコアが低い顧客や回答をもらえない顧客には追加のアプローチをすることも考えられます。Suevey Monkeyのような専用のツールを利用したり、ニュースレターやサービス内で調査を行い手軽に回答をしてもらえる仕組みづくりが重要です。

アプリ内コミュニケーション

・サービスのチュートリアル

製品の機能が多角化すると、チュートリアルを使って基本的な使い方を覚えてもらうことが有効です。初期設定が必要なアクションがあればチュートリアルの中に組み込むことで、オンボーディングの一部プロセスをこなしてもらえます。

・アクションリストのリマインダー

定義したカスタマージャーニーをもとに次にとるべきアクションをリマインドすることも有効です。アクションリストを明確化すれば、顧客が次のアクションを認識しやすくなります。

・レベル設計、資格付与

サービスの中に習熟度に応じたゲーミフィケーションを組み込み、レベルが上がるようにしたり、資格を与えたりする方法があります。顧客が使えば使うほどサービスの習熟度が上がり、さらに利用を増やすモチベーションに利用します。

テックタッチは適切なツールを組み合わせよう

この記事では、米国の取り組みを参考に、テックタッチの重要性や成功のための考え方、具体的な方法について解説しました。米国におけるテックタッチには様々な手法があり、日本と比べると活用できるソフトウェアやツールの数も多いです。

一方で、米国で使われているツールは日本語対応していない、担当者が日本にいないなどのハードルもあります。初めてテックタッチに取り組む場合は国産のツールを使えば、日本の市場や顧客にあったテックタッチを実現できるので安心でしょう。

テックタッチの取り組みをうまく実現できれば、効率的に多くの顧客へサービスを提供することができます。米国での事例を参考に、自社に適したテックタッチの手法やツールを取り入れて、顧客のビジネスの成功に伴走しましょう。

Topics: カスタマーサクセス

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