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【考察】花王のカスタマーサクセスがめちゃくちゃ凄い!

  • 公開日:2022年11月25日(金)

 

 

カスタマーサクセスはSaaSやBtoB企業だけのものだと思っていませんか?
BtoC企業の代表例である花王も、実はカスタマーサクセスの取り組みに力を入れています。
今回の動画・記事では、花王のカスタマーサクセスの取り組みについて解説します。

BtoC企業は長年「CRM」に取り組んできた

花王の事例は、直近ですと日経クロストレンドやITメディア、ビジネス+ITなどさまざまなメディアで取り上げられています。
※日経クロストレンド記事「花王のカスタマーサクセス部を大解剖 成功を導く3つの推進室

日用品メーカーである花王は、元々長きに渡って「CRM」の取り組みに力を入れています。
CRM(Custmaer Relationship Managentの略)はもちろん、
「顧客との関係性の管理により、利益の最大化を目指すこと」です。

BtoCの業界においては、多くの企業がCRMとしてLINEやロイヤリティプログラムなどをどの会社も取り入れています。

「カスタマーサクセス部」への部門変更が盛んに

花王ではCRMを「カスタマーサクセス」という形で名前を読み替え、
かなり早い段階から部門名の変更にも取り組んできました

直近、「CRM」から「カスタマーサクセス部」への部門名の変更を目にすることが増えてきましたが、中でも花王はいち早くこの変更を行ったため、メディアでも取り上げられることが多いです。

CRMと言えば株式会社顧客時間の共同CEO・取締役、奥谷孝司さんが有名ですが、
奥谷さんは「購入する前か、もしくは購入後のお客さんとの顧客設定の時間も大事」というお話をされています。

BtoCの業界でも現在DX(Digital Transformation)が流行りとなっており、
特に各社で「購入前後のデジタル体験作り」に注力されている印象があります。

こうしたデジタル体験を提供することで「一人当たりのお客様のLTV」が高くなれば、
「一人のお客様に対して掛けられる広告キャンペーンのコスト投資」はより大きくできます

その意味で、"LTVをいかに高めていくのか"という目的に資するための「場」づくりとしてのデジタル体験の設計は、花王を含めてBtoC業界の各社が行っています。

花王の先進的な「カスタマーサクセス」的取り組みとは?

花王では、実は「お客様と繋がりを持つようなカスタマーサクセスの取り組み」を昔から取り組んでいます。

例えば2012年頃から、コミュニティサイトの「花王プラザ」上で、
AIを使った肌などのくすみ分析ができるサービスを展開しています。

一方で大手消費財メーカーP&G等においては、
化粧品や日用品については、CRMよりもマス・マーケティングの方に注力をしているようです。

マス・マーケティングは、大量生産・大量販売・大量プロモーションを前提として、
「すべての消費者を対象に同じ方法」で行うマーケティングのことですが、
CRMよりスーパーやドラッグストアなど小売店での購買行動が強く根付いているのが現状です。

花王としては、こうした現状から脱却したい、という狙いもあるようです。

花王が「カスタマーサクセス部」に名称変更した狙いとは!?

また花王(花王に限らずBtoC全般)は「直販」のチャネルが少ないため、
今後「直販比率を上げたい」という構想も持っているようです。

花王がカスタマーサクセス部門、という名称に変更した背景には、
「今の取り組みがものすごく素晴らしくできている」というよりは、
「これからよりよく、素晴らしいものを作っていきます」という気合いの表れがあるのではないでしょうか。

花王が展開している日用品は、一般的に消費者にとっては「スイッチングコストが低い」です。
例えば、スーパーマーケットで洗剤を購入するときに、
「花王なのか、花王のものじゃないのか」ということを気にせずに買う方が大半でしょう。

花王製品を選択してもらうために、花王としてのブランド体験作り、デジタル体験作りに注力して投資しているようです。

DXの取り組みは、大抵はふわっとした構想を作りがちですが、
花王ではすでにアプリやオンライン上のコミュニティが存在していて、
「花王としてのユーザID」に投資していくという方針が明確な点は素晴らしいと思います。

こういった取り組みは複数の部門も携わっている場合が多く、
大手の企業はなかなか形にするのが難しい中、
花王では「カスタマーサクセス部門」と言い切り、デジタルの投資やIDの環境への投資も行っています。

花王は非常に先進的に取り組みを進めている、堅実な会社だと言えます。

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