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【継続率】LTVを向上させれば売上がめちゃくちゃ安定します!

  • 公開日:2022年6月26日(日)

 

 

カスタマーサクセスについて学んでいると、「LTV」という言葉をよく耳にすると思います。
LTVは「ライフタイムバリュー(Life Time Value)」の略です。

LTV(ライフタイムバリュー)とは

LTVについては、一言で言えば「お客様とどれだけ長い期間、契約で繋がっているか」という意味合いで使うことが多いです。

LTVという言葉の中で重要なのは「LT=ライフタイム(Life Time)」の部分です。

SaaS(Software as a Service)のカスタマーサクセスの場合、例えば「3ヶ月で解約」の場合と「24ヶ月で解約」の場合では、顧客の「ライフタイム」が全く変わってきます。

なぜこのLTVに注目すべきかというと、「ライフタイムが長ければ長くなるほど、カスタマーサクセスを通じて計上できる売上高が高くなる」からなのです。

解約率とLTV

LTVを考えるにあたって、はじめに解約率について見ていきましょう。

解約率が例えば3%から1%になった場合、現場からすると「2%下がったな、やったな」という感覚かもしれませんが、LTV的な考え方で言えば、「10ヶ月の契約の平均値が20ヶ月に伸びた」ということになりますので、単純に「売上が倍になった」と考えることができます。

LTVは、カスタマーサクセスをしていく上で売上を推測するときにも使える考え方なのです。

解約率に関しては有名な方程式、「1÷月次の解約率」というものがあります。
月次の解約率は、例えば「10社契約しているうちの1社解約」の場合には、解約率10%になります。「1÷月次の解約率」によって、「顧客の契約期間が何ヶ月なのか」を推定することができるのです。

例えば月次解約率が5%だったとすると、「1÷5%=20(ヶ月)」という数字が出ます。
このケースで、例えば月額10万のSaaSの製品だったとすると、20ヶ月契約されて「10万円×20ヶ月=200万円」という数字を出すことができます。
これが10ヶ月、20ヶ月、30ヶ月・・・と長くなればなるほど、カスタマーサクセスにおいてどのぐらい売上が伸びていくのかを、具体的な数値で考えることができるのです。

この意味で「ライフタイム」という考え方は、カスタマーサクセスにとって非常に重要なものだと言えます。

カスタマーサクセスの視点からみた解約率

カスタマーサクセスの視点から言えば、
「私たちのカスタマーサクセスによってこれくらい解約を防ぐことができた」
つまり、考え方によっては「これくらい長く契約が続くことに対して、カスタマーサクセスとして貢献することができた」という考え方もできます。

さらに、「そこから売上を計算するとこれくらいになった、だから私たちの活動というのはこれくらいの売上に貢献している」という風な説明もできるようになるでしょう。
カスタマーサクセスの行動した結果が、どのぐらいの売上に繋がっているかも数字で把握することができるようになるのです。

そこで、ぜひカスタマーサクセスに関わっている方については、月次の解約率を一度計算し、
「平均でどのぐらい解約されているのか?」を計算していただきたいと思います。

その結果露骨に結果が悪い場合は、
「悪い部分を改善するとLTVがこのぐらい伸びるのでは」という計算を立てることができ、
「このぐらい売上が伸びるので、こういうことにコストを使いたい/投資が必要です」という説明の根拠にもなるので、
よりカスタマーサクセスがどのような経営インパクトを持っているのかが分かってくるでしょう。

どのようにLTVを向上させるか

LTVが非常に重要な指標だとお分かりいただけたと思いますが、次に「LTVをどう向上させるのか」という話に移ります。

LTVを高める上でおすすめなのは「カスタマージャーニー」を作ることです。

例えばマーケティング部門では「新規の顧客企業と契約を結ぶためどんなコミュニケーションをしていくか」を整理するためのジャーニーを持っていることが多いです。
カスタマージャーニーは、最初の顧客との接点から始まり、そこから関係を築きどうすれば契約するか、というシナリオを描くイメージです。

新規の顧客だけでなく、既存の顧客についてもカスタマージャーニーを描くべきだと考えています。

例えば「20ヶ月間、お客様と関係を持ち続けたい」と考えた時に、
「20ヶ月間」という期間をどのような期間にしていくか、
その段階ごとにお客様が何に困っていて、どのような心理状態になったり障壁があったりするのかということを考えます。

「それを払拭するためにカスタマーサクセスとしてこういうことをやっていこう」
ということを整理した上で、お客様とのコミュニケーションに生かしていくことが重要です。

カスタマーサクセスにおけるカスタマージャーニーの書き方

どんなお客様を想定するのか

最初は自分たちが「こんなお客様を成功させたいなという企業」が良いでしょう。

「お客様とどれくらいのライフタイムを一緒に過ごしていきたいか」というゴールを決めることが、最初は肝要です。
それを「6ヵ月」「12ヵ月」「24ヵ月」といった期間によって、お客様とのコミュニケーションの取り方は変わってくるでしょう。

例えば「24ヵ間=つまり2年間お客様と付き合い続けたい」と考えると、
2年間の中で「お客様はどのような感情を持つのだろう」「どんな障壁があるのだろう」と一度考えてみましょう。

2年という長い期間になると、お客様の事情や感情も変化することが多いので、
「こういう時にはお客様喜んでくれそうだけど、こういうふうになるとお客様は離れていっていまうんじゃないか」等、
お客様の状況をしっかりと事前に想定したうえで、それを防ぐためにカスタマーサクセス活動としてやるべきことをやらなくてはいけないでしょう。

顧客状況や対策をシミュレーションする

その上で「契約期間や顧客状況・対策をシミュレーションしておく」ことが重要です。

例えばお客様が契約してすぐの段階において、「お客様が操作が分からずイライラして使うのをやめてしまうんじゃないか」というケースを想定したとします。

それをなくすために、お客様がつまずいたりとか、離れたりとか、嫌だな不快だなという風に思うポイントをカスタマージャーニーの中でしっかりと明記してそれに合った対応をしていく。
例えば、最初の契約時には必ずお客様が参加する「入門セミナー」を設計しようとか、
漫画で分かりやすく自分たちの操作を説明するようなものを作るとか、
「こういうところで躓くことが多いので注意してくださいね」といった動画を作る等です。

そういった整理整頓に使えるツールこそが、カスタマージャーニーなのです。

しっかりとカスタマーサクセスのジャーニーというのが描かれていて、お客様がどんなときどんな課題を感じて、ということが全部整理されて、
「そのためにこんなことをやろうね」ということをカスタマーサクセスチームの各メンバーが理解していれば、顧客体験というのは非常に良くなっていくでしょう。

カスタマージャーニーを「アップデートし続ける」べき

また、カスタマージャーニーというのは一回作っただけではなくて、ずっと改善し続けることが大事です。

日々のカスタマーサクセスの活動の中で、例えば「お客様はこういうところでもちょっと不満になったりする」であるとか、「こういうことをするとすごく喜んでもらえた」というのは、データとして・あるいは経験として溜まっていくでしょう。

それをカスタマージャーニーにもアップデートして、実際のコミュニケーションやお客様への提案に反映させていくことで、お客様の顧客体験のPDCAを回すことができます。

これを何回も繰り返していくことでお客様に最高の体験をしてもらう、というのがカスタマージャーニーを作る目的です。

お客様の成熟度合いとカスタマーサクセス

ここまでは「LTVを高めるカスタマーサクセス」という考え方をご紹介しましたが、
「お客様の成熟度合いをしっかりと見ながらカスタマーサクセスをしていく」という考え方もであります。

『ザ・モデル』という書籍の著者である福田康隆さんが紹介していた考え方です。

この考え方では、自社が提供している製品をお客様が活用している度合やレベルを、4〜5段階くらいで整理しています。

例えばレベル1では、「基本的な機能が使えており、設定が完了している状態」。
レベル2になると「基本設定は全て終わっていて、基本機能だけではなく様々な機能を使いこなしている状態」といったように、お客様の活用度合いを段階分けしていくという考え方です。

お客様の中には、「IT製品に慣れている方とそうでない方」「同じ分野の製品を初めて使う方と、何回も昔から使っていらっしゃる方」等、色々な属性の方がいらっしゃるので、そのお客様によって伝えるべき情報を整理して、お客様に合わせた形でサポートする必要があります。

なるべくお客様のレベルに合った解説をしていくことで、次のレベル、次の成熟度合いというところにお客様を導くためのコミュニケーションができるか、が重要になります。

ヘルススコアと成熟度

この成熟度はカスタマーサクセスにおけるヘルススコアとはまた別の考え方ですが、関連している指標であるとは言えます。

ヘルススコアはあくまで「フロー」、つまりお客様の普段の利用状況等を把握し、解析するための指標になります。
一方成熟度はお客様がその製品についてどれだけ理解を深めているのか、という「ナレッジ」的な側面があると思っています。

成熟度が高いお客様であれば、ヘルススコアが低くともその製品についてはすごく理解している状態で、うまく使いこなしていただくことができます。一方でヘルススコアも成熟度合いも低いお客様の場合、そのまま解約されてしまう可能性があります。

そういったお客様に対してどうすべきか等、お客様に合ったコミュニケーションを行う参考指標という考え方として捉えると良いでしょう。

まとめ

LTV=ライフタイムバリューとは、「お客様とどれだけ長い期間、契約で繋がっているか」という意味合いで使われることが多く、また解約率と関連性の高い指標であると説明しました。

また、LTVを向上させる上で、カスタマーサクセスの視点からどのようにお客様の状態を捉え、アプローチしていくかを考えることが重要です。
考えるツールとして「カスタマージャーニー」やお客様の成熟度といった考え方もご紹介しました。

カスタマーサクセスとして、いつ・どんなタイミングで・何をやるのかを型化し、組織全体で取り組みを進めていくことが、LTV向上への第一歩となるでしょう。

Topics: カスタマーサクセス

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