自社で「最強のカスタマーサクセスチーム」を短期間で作るために。
「カスタマーサクセスが強い」組織の特徴を3つご紹介します。
特徴その1:カスタマーサクセスチームに大手企業出身のセールスやPM職の人がいる
大手企業向けのサービス提供が多いSaaS企業
カスタマーサクセスはSaaS(Software as a Service)企業に多く配置されているポジションですが、SaaS事業がどんどん事業成長してレベルが高くなると、大手の取引先・顧客が増えていきます。
そうすると、ベンチャーやスタートアップが多いSaaS企業にとっても、大手のお客様と取引する上で「大手企業向けの御作法・マナー」が必要になってきます。
例えば大手企業の部門をどのように開拓すべきか考えたり、会社が大きいためにどのように決裁を取っていくべきか、その決裁フローを検討する必要が出てきます。
大企業の購買部門と直接取引をするのか、あるいはITツールを管理する情報システム部門や・セキュリティ関連の部門とやりとりすべきか、その際のセキュリティ要求へどう対応すべきかなど、様々な論点が発生します。
つまり、スタートアップやベンチャーであっても「大人の仕事」ができなければ大企業とのお付き合いは難しくなっていくのです。
そういった中で、カスタマーサクセスチームに大手企業の出身者の方がいると、カスタマーサクセス組織は一気にレベルアップするでしょう。
また、大手企業にいる営業職やPM職の方々の動きを学ぶことで、今カスタマーサクセス業務に取り組んでいる方も色々な学びがあると思います。
PMとは?
ちなみにPMとは「プロジェクトマネージャー」のことです。
プロジェクトは、一般的にはITの大型のプロジェクトを指しています。
プロジェクトマネジメントは、システム導入のプロジェクトをどのように進めていけば、より高い成功確率でシステム導入できるかを考えていく仕事であり、SaaSやクラウドのビジネスにおいても考え方を活用することが可能です。
SIerのプロジェクトマネジメントに関する書籍も沢山出ていますので、そういった書籍も参考にしながら学んでいただくのも良いでしょう。
特徴その2:経営企画出身者を「CSOps」のポジションで採用する
「CSOps」とは?
カスタマーサクセスの方が活動する上での支援とかサポートとかをしていくような企画だったり支援だったりをCSOps(Customer Success Operations)といいます。
これはアメリカを代表するカスタマーサクセスツールであるGainsight CEOのニック・メーターさんもそのように表現しています。
SaaSの企業でも事業が成熟した会社が増えていますが、そういった会社ではカスタマーサクセスポジションの採用が進んでいます。
企業が上場すると(SaaS企業に限らずですが)IRとして現在の経営状況を株主に対して発表する必要があります。
SaaS企業の経営において重要な指標はやはりカスタマーサクセスに関連した指標になりますので、「カスタマーサクセス関連のデータが経営的にどうなっているのか?」を上場後に定期的に株主に対して報告する必要があります。
そのため、企業の経営企画担当もCSOps的な仕事をやらなくてはいけなくなります。
そこで経営企画の人を採用し、カスタマーサクセスの計数管理をやり始めるのです。
経営企画の仕事とは?
経営企画の仕事は事業の予算を作ったり、IR向けに数字の集計や分析のサポートをしていますが、経営企画経験者がカスタマーサクセスのチームに入ると、カスタマーサクセスに関連した目標の設計や予算策定等のレベルが非常に上がります。
経営企画といっても色々な種類があり、財務・計数に詳しい方もいれば、システム導入とかに強い方もいます。とはいえ、経営企画経験のある方がチームに入ってくれるとカスタマーサクセスの業務が非常にブラッシュアップされていきますので、重要なポイントであると言えます。
特徴その3:カスタマーサクセスのチームにマーケターと編集者を入れる
これはまだ知らない人も多い情報ですが、カスタマーサクセスの1つの手法として「テックタッチ」というものがあります。
実はアメリカ等では、マーケターとか編集者の人がこのテックタッチの領域で活躍しているのです。
そもそもテックタッチとは、顧客に対してWebサイトやメール等のデジタルチャネルを活用してカスタマーサクセスのコンテンツを案内し、オンボーディングや利用促進を行うことです。
そのため、デジタルマーケティングツールの扱いに慣れているデジタルマーケターが1人でもカスタマーサクセスのチームにいると、テックタッチが強くなるのです。
また、コンテンツ作成も必要になるので、編集の経験者(編集者)がいるとさらにレベルが上がるでしょう。
編集者は普段、文章を執筆する等テキスト編集をやっていますので、カスタマーサクセス用の製品案内資料や、顧客企業への導入支援のためのお役立ち資料を作成する上で力を発揮することが期待されます。
編集者によって作成されたコンテンツを自社のWeb上に上げて、デジタルで案内していくことで、自社のテックタッチがさらにレベルアップするのです。
さらに、テキストだけではなく図を入れたりすることもあるでしょう。
デザイナーもチームに在籍していると、よりリッチな形でテックタッチを実現することが可能になります。
Openpageでもテックタッチ支援をしていますが、一番上手くいってるチームはまず、カスタマーサクセスのハイタッチをちゃんと経験してるような実際の支援業務を経験してる人がチームにいながらも、マーケの素養のある方、例えば元々マーケティング業界でマーケティングツールを扱っていた人もチームにいて、なおかつ編集者もそこにいて、という体制を作ることができると、やはりテックタッチはとてもうまくいく印象があります。
まとめ
「カスタマーサクセスが強い」組織の特徴として以下3つをご紹介しました。
- カスタマーサクセスチームに大手企業出身のセールスやPM職の人がいる
- 経営企画出身者を「CSOps」のポジションで採用する
- カスタマーサクセスのチームにマーケターと編集者を入れる
カスタマーサクセスは、SaaS企業にとって不可欠のポジションとなってきていますが、
1番のミッションは顧客に長く製品を使っていただくためのサポートをすることです。
SaaSはBtoBビジネスであることも多く、法人、時には大企業も顧客となることがありますので、上記の原則を頭に入れながら組織を作っていただくと、「強いカスタマーサクセス組織」に繋げていけるのではないでしょうか。