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openpage導入でテックタッチを大成功させる:スパイダープラス様の体験談をopenpage代表/実践カスタマーサクセス著者の藤島誓也が解説

  • 公開日:2023年6月19日(月)

 

openpage代表取締役/実践カスタマーサクセス著書の藤島誓也です。

カスタマーサクセスの取り組みとして、テックタッチ・ロータッチに取り組もうとしている会社が増えております。
openpageはカスタマーサクセスのDXを進める製品として開発され、様々な会社のカスタマーサクセスにおけるテックタッチ導入に取り組んできました。

今回の記事で紹介するのは、図面・現場施工管理アプリのスパイダープラス様のopenpage活用によるテックタッチ成功事例です。
スパイダープラス様は、全国に散らばる現場の施工管理者であるユーザー様向けのテックタッチ、デジタル案内をopenpageで大成功させました。
先日、スパイダープラス様よりご発表いただいたイベントでの発表資料から抜粋して藤島が徹底解説します。


こちらの内容は、「テックタッチの導入」に関する発信としては現状では日本で一番詳しい内容であると確信しております。
openpageの製品についても、現状の製品ホームページに記載の内容より、カスタマーサクセスとして活用する機能や用途の解説がわかりやすいはずです。

openpageの導入を検討している、openpageの社内稟議をあげる過程で上司を説得している方に対しても、お役に立てる内容ですので、ぜひご一読をお願いします。

 

成長事業における深刻なカスタマーサクセス課題

SaaS/クラウドの事業は、一度顧客に受け入れられると、飛躍的にユーザーが増えてゆきます。
また、事業の年数が経つほど、新しい機能が増え、カスタマーサクセスとして説明しなければならないことも増えます。

しかし、専門的なカスタマーサクセスのための提案を出来る人材は、すぐに採用や育成ができません。

一方で、営業マーケティングは新規顧客を増やし続けます。
すると、どんな課題が起こるのか。

「ユーザーが増える×機能が増える」ほどにカスタマーサクセス体制が追いつかなくなるのです。

だから、デジタル主体のカスタマーサクセスの体制や、テックタッチの手法が必要になるのです。

カスタマーサクセスのハイタッチ依存による問題

こちらのスパイダープラス様が整理頂いたカスタマーサクセスの課題は、事業成長の過程であらゆるカスタマーサクセス組織で発生するものです。
実は、私も自身がカスタマーサクセスの仕事をしていたときに、ここに並べられた課題とまったく同じ課題が発生しました。

事業成長にカスタマーサクセス体制が追いつかなくなるときに課題となるのは、人的なコミュニケーション(ハイタッチのカスタマーサクセス)のみで顧客を動かす手段に対して、完全に依存してしまってるがゆえに起こる不整合や課題が多いです。
「リソースが足りずハイタッチやりきれない問題」の壁です。

ハイタッチのカスタマーサクセスに依存した場合、顧客数とハイタッチCSの人数が比例しなかった場合に、サポートが追いつかないため、顧客の成功体験を作れなくなります。

ハイタッチのカスタマーサクセスがいなければ顧客が成功出来ない状態とは、顧客が自分自身で設定、利用、課題解決ができる環境が整っていないということです。この状態が続くとサポート不在になり、事業成長に大きなキャップがかかってしまいます。

カスタマーサクセスを効率化したい、自動化したいという相談は多くあるのですが、それはすなわち、顧客のセルフサクセスをできる環境を作って、ハイタッチの人数に依存しない体制をつくること。視点を顧客に向けて、カスタマーサクセス組織自体だけでなく、顧客に対して力を与える、顧客が自動化・自走化出来るように導くということを意識しなければなりません。

カスタマーサクセスの課題解決に必要な製品機能・製品ソリューションとは

こちらに挙げていただいているカスタマーサクセスの解決策は、ずばりカスタマーサクセスのテックタッチ(≒顧客が自ら動ける)を成功するための最適な機能の一覧です。そしてopenpageは、これらすべての機能をカスタマーサクセスの課題を熟知したうえで実装しております。

まずカスタマーサクセスにおいて顧客が自ら動けるためには、コンテンツ、コミュニティ、FAQ、セルフオンボーディングといった機能がまとまってる必要があります。カスタマーサクセス業務の多くは顧客案内であり、この自動化が最重要となります。ハイタッチの人数に依存せず、案内を自動化する、スケールするカスタマーサクセスをテックタッチで行わなければなりません。

とすると、やらなくてはならないことは、ハイタッチで行う案内と同じくらいの案内量を、デジタルコンテンツに落とし込んで、顧客自らが視聴出来る環境(テックタッチ環境)を作ることです。

とすれば、相応なコンテンツ量となります。コンテンツ量=案内量が多いため、多様なフォーマットで顧客に自動案内できる機能が必要になり、特にコンテンツ学習やお客様専用ページを軸とした、多様な案内機能をopenpageでは活用できます。

また、テックタッチのポイントは「運用型」で取り組むことです。運用型とはデジタルマーケティング用語で、データを見ながら上手くいくよう改善する、運用活動が発生するということです。

テックタッチは1回やれば成功するものではありません。顧客に案内するコンテンツの作り方や見せ方を試行錯誤する必要があります。
openpageでは、どの顧客が視聴してくれているのか、個社ごと・ユーザーごとで計測して、PDCAを回せる体制を作れるレポートを実装しています。

顧客に自社製品のカスタマーサクセスを実現するための情報提供をオープンにする。
そして顧客の視聴状況を会社やユーザーごとに細かくオープンにする。

この両者を改善しながらカスタマーサクセスの可能性を広げていく。
これがopenpage(オープンページ)と名付けた理由の一つです。


カスタマーサクセスの本当の課題解決をするためのツール

カスタマーサクセスのテックタッチの製品は、動画配信ツールやコミュニティツール、ナビゲーションツールなどがカスタマーサクセス寄りの機能を出した、というケースのものが多いです。
スパイダープラス様はすべてのカスタマーサクセスツールを入念に比較されていました。

弊社もopenpageの製品を立ち上げるときに、動画やコミュニティ、ナビゲーションなどは米国のツールベンダー各社の画面を触ったりしながら、自社でどの機能を開発の中心とするべきか、この機能がカスタマーサクセスで役立つかなど多面的に研究しました。

結論、カスタマーサクセスに特化したものを作ろうとすると、動画ツールやコミュニティツールでは狙いが違うとわかりました。動画やコミュニティの海外ツールを見ると動画制作やコミュニティ設定の機能が豊富に実装されているものの、カスタマーサクセスにおいては不要な機能が目立ちます。

カスタマーサクセスのテックタッチにおいては、顧客のセルフサーブに伴う十分量のコンテンツを表示しながら、運用型で個社/ユーザー単位でPDCAを回せることが重要のため、この機能が先立って実装されました。
それに加えて動画やコミュニティも出来る、結果的にコンテンツ量やレポート項目が増えるという製品が最適です。

実際に、openpageは十分なテキストや資料、タスクなど多様な形式でテックタッチ案内ができる、そのうえでコミュニティ開設や動画掲載ができる設計にしています。かつ必要以上に動画やコミュニティの分析機能をあえて付けないことで、価格を押さえることに成功しました。
行き過ぎた機能を作らないようにすることで、費用面は、自身が事業会社が導入することを考えたうえでも現実的なROIとなるように設計したつもりです。

また、openpageをフォローする弊社のカスタマーサクセスチームは、外資出身者やメガベンチャー出身者などカスタマーサクセス専門家で固めました。これは幸いにして、私自身がかなりのカスタマーサクセスオタクであり、openpageはカスタマーサクセスに関しては100倍発信している自負があるため、自然と本当にカスタマーサクセスが好きな人が集まっていることが強みです。

テックタッチ立ち上げ成功のポイント

テックタッチ立ち上げにおいて重要なことは、データを見る運用型、つまり、製品アカウントと顧客データを連携/同期して、カスタマーサクセスに必要なデータ(企業・ユーザー単位)を計測できるようにしておくことです。
つまり、自社の顧客のうち、どの企業の誰がカスタマーサクセスのコンテンツに接触したのかを計測できるようにすることです。openpageはこの機能が標準機能として実装しており、開発部門と連携して導入いただいています。

そのうえで、カスタマーサクセスのジャーニーを意識したコンテンツ設計をすることが必要です。
データを計測可能にし、ジャーニーを念頭に置いたコンテンツを整備することで、コンテンツ視聴の内容から、該当のユーザーはどのようなことに興味や課題感があるのか、顧客のステージや状況が特定できるようになります。
そのうえで解約防止やアップセル/クロスセルのコミュニケーションを行うことで、より顧客目線の提案が可能になります。

また、テックタッチは立ち上げ時には、ただテックタッチ環境を作るだけでなく、実際のユーザーや現場の営業/カスタマーサクセス担当に使ってもらえるよう告知することが成功のポイントです。

裏を返せば、テックタッチが失敗するケースは、計測、コンテンツ、社内外啓蒙が甘いことです。
計測ができなければ上手くいっているかがわかりませんし、コンテンツ量が不十分であれば人と同じくらいの説明を担保できません、社内の従業員や顧客に対して浸透できていなければ、テックタッチが形骸化してしまいます。

スパイダープラス様は、openpageの導入時点からこれらの成功ポイントを意識しながら進められていた素晴らしい事例です。


テックタッチで重要なのは「運用」

テックタッチにおいては、openpageのサイトをただ開設しただけではなく、その後の運用も重要になります。
テックタッチ運用としてまず重要なことは、コンテンツを増やしていくことです。コンテンツの視聴時間が増えると、それだけ顧客が自ら学習し製品を活用する機会が増えます。顧客が自ら出来ることが増えれば増えるほど、ハイタッチの人手が足りなくてもカスタマーサクセスがスケールします。

従来、人で行っていた顧客接点、説明時間を担保するためには、1人あたり2~3時間は視聴できるようなコンテンツ量を目指すべきです。(製品の初期設定、導入方法、運用成功事例、利活用スケジュールなど、2~3回MTG分の内容を想定)
そして、その後も継続的にコンテンツを増やし続けることがテックタッチのKPIになる
でしょう。

顧客がセルフサービスで自ら製品を進んで学ぶ環境ができるほど、カスタマーサクセスの案内が自動化され、結果的にカスタマーサクセスの人件費も下がります。

また、コンテンツを増やすことに並行して、テックタッチへの誘導導線も増やすことも重要な目標として追うべきです。
というのも、テックタッチの失敗例として、導線が甘くて使われないケースが大変多いです。顧客が知らなければコンテンツが視聴されず、結果テックタッチが形骸化されていまします。

ですので、顧客体験の中でカスタマーサクセスのサイトを知るきっかけを確実に作る。例えばオンボーディングの工程で必ずテックタッチの接点を作るよう案内する、問い合わせ回答をするときにテックタッチのコンテンツを活用して回答する、など、顧客や社内メンバーが意識する接点作りを細かく作ることが必要です。

また、そもそも社内のハイタッチのカスタマーサクセス担当には、はじめはテックタッチの取り組み自体が反対される事が多いです。
ハイタッチの人は自分の提案のほうが上だ、テックタッチだと顧客接点が減る、デジタルで提案しても読まれない、などと言い出します。

しかし、一定の視聴者数とコンテンツ量が増え、取り組みのスタンダードになれば、カスタマーサクセス部門の中で徐々に反対されなくなってきます。
テックタッチの提案も使い分けたほうが楽だし、顧客接点は減るのではなくむしろ増える。デジタルでも自ら読んで製品を活用する層がいることに気づきます。

そして、組織が大きくなると、事例や機能などキャッチアップが大変になり、デジタル上に体系的なカスタマーサクセスコンテンツが揃っていることは社内メンバーにおいても助かったりします。事業成長の過程で新人も増えていいきます。人で話していたカスタマーサクセスの案内がテックタッチのコンテンツで揃っている状態は、社内の育成や共有の観点の重要度も高くなるため、早期に準備をすることが望ましいです。


テックタッチ導入による社内・社外の変化

社内観点に立ったときに、テックタッチの強化はハイタッチをマイナスにするものではなく、プラスにするものです。
まず、基本的な説明会やガイドを人が直接案内しなくても、回るようになります。これはすなわち、ハイタッチのカスタマーサクセスが始めから顧客に向き合ったレベルの高い提案ができるということです。

顧客にとっても、基本的な説明は何度も見直したいので、人で1度説明を受けることに加えて、何度も復習できるテックタッチのコンテンツが揃っていたほうが利便性が高いです、

カスタマーサクセス個人のキャリア観点としても基本的な案内はテックタッチで済ませるようにしたほうが、より高い提案力が付き、提案力が高まることで離職防止に繋がります。
カスタマーサクセスの離職理由で多いのは、同じ機能説明を繰り返すだけで面白みや成長を感じなくなる、というものです。
テックタッチで回る仕組みができれば、単純な繰り返し解説はデジタルにまかせて、人は顧客に踏み込んだコンサルティング提案が出来るようになります。

また、顧客からしても、カスタマーサクセス担当に聞かないとわからない状態は健全ではありません。

人に説明をすべて依存すると、カスタマーサクセスの担当によって重要な機能や事例、キャンペーンの案内をしてない。質問の回答が、本来行うべき回答とは内容がブレるということが起こります。
テックタッチですべての案内を体系的に揃え、顧客がアクセス出来るようにしおけば、サービス水準に向上に繋がります。

米国のカスタマーサクセスでは、テックタッチはベースメントサービス(基本サービス)であるという考えが採用されています。
テックタッチで必要な案内をカスタマーサクセスの専用サイト上に揃えておくのは当たり前になってきており、日本にもそのあり方は広まっていくと思います。

テックタッチが成功したその先にすることは

テックタッチのローンチに成功したあとの話は、日本だとあまり外に情報が出ていません。
結論から言えば、スパイダープラス様のスライドにあるように、テックタッチをもっと広げよう、という話になります。
テックタッチを広げるとは、サイトの露出を増やしつつ、コンテンツの中身やサイト構成を改善することの継続です。
openpageもスパイダープラス様含め様々なお客様の声を聞きながら、よりよいカスタマーサクセスサイト構築が出来るよう機能開発やUX改善に努めています。

また、分析面はより詳細な顧客分析をしようという話になります。スパイダープラス様はGoogleアナリティクスを入れたり、BI連携をしたりし始めて、よりデータの計測や可視化を強化し、顧客理解と提案のために使っています。

またopenpageにはコミュニティの機能が実装されているのですが、スパイダープラスはコミュニティの立ち上げを検討中です。
投稿頻度や学習状況に応じたランク機能などがopenpageには実装されており、どう運用に回そうかとディスカッション中です。

弊社はコミュニティ立ち上げに慎重な姿勢であるべきと提唱しているのですが、理由は、BtoBのコミュニティは実はだいたい失敗や形骸化しているからです。
なぜなら、コミュニティとは一方発信ではなくユーザー発信のためのものなので、セルフサービスで学習するユーザー(十分に製品学習をしていて、自ら発信しようとしている、モチベーションの高いユーザー)がいないと成り立ちません。

少なくとも、テックタッチを開始しても全くユーザーが反応していない状態の場合は、コミュニティでユーザーが発信するというのは不可能です。
カスタマーサクセスのコアな体験設計である、ユーザーのセルフ学習の細かいPDCAを入念に行い、顧客がセルフサービスで学習し、製品を活用する。そして発信できるだけの強い製品エンゲージメントがある。これがコミュニティ開始の条件です。

スパイダープラス様はもうその状態に近づいており、学習者/実践者同士の健全なコミュニティ開始に向けて準備が進んでいます。


テックタッチは社内・社外(顧客)を良くするもの

テックタッチを推進する人のスキルセットとしてハイタッチでカスタマーサクセスをやったことがある、もしくは強く連携していて、顧客や製品や業務の一次情報を持ってるということは重要です。
テックタッチとは、ハイタッチで案内してる内容をデジタルで案内しようという話ですので、決して分かれてるわけではなく、地続きな施策です。テックタッチは分断が強いほど現場から反対されやすいです。自身の提案余力を奪われるような感覚があるからでしょう。

しかし、テックタッチは、カスタマーサクセス組織や顧客にとって何かを奪うものではなく、与えるもの。ハイタッチとしての提案力が上がる、カスタマーサクセスの業務は効率化する、結果的に顧客体験も良くなるものです。この前提で施策を進めることが成功の秘訣となります。

テックタッチは決して不可能な取り組みではない

また、テックタッチは「うちは無理だ」という会社が非常に多いです。しかし、推進力があれば絶対にできます。これまで、建設・介護・飲食・小売などバーチカルSaaSの難しい商材やカテゴリであっても、openpageはテックタッチ導入を成功させてきました。

実は、スパイダープラス様の社内にも、人によっては無理だと言ってる人もいました。しかし、出来ると思ってやって、実際にできたのです。
全国に散らばる施工管理者様に対してWEB上でナビゲーションする、という取り組みはテックタッチとして最難関のレベルですが、役員の鈴木様や推進者の仙道様の推進力で大成功をおさめています。

物事は一度出来たという成功事例があれば、自分もできるかもと思い、他の人も出来るようになります。
昔、100メートル走を10秒以内で走ることは無理だ、人間の構造として絶対に出来ないと言い切られていたタイムが、一度破った人が出てきた翌年以降に次々の成功させたという歴史がありました。

同じように、カスタマーサクセスのテックタッチの不可能なものではなく、すでに大成功している企業があります。ぜひ、ご参考にしていただければ幸いです。

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