コンサルティングナレッジの可視化と共有で組織力を高める デジタルセールスルーム活用による変革事例

mark-type-vertical_color_RGB 株式会社エムエム総研

執行役員 ビジネストランスフォーメーション第1Div. Div.長 久保田様

属人化課題の解決から、クライアントとの新たな関係構築まで

BtoB企業の営業マーケティングをサポートする株式会社エムエム総研では、コンサルティングプロセスやサービス導入後の支援にopenpageを活用しています。
一部のコンサルタントに集中していたコンサルティングナレッジがブラックボックス化した状況に対して、openpageのテンプレート機能や記事作成機能を活用して、コンサルティングノウハウの言語化とナレッジの共有化を進めています。
その結果、資料作成時間の大幅削減やコミュニケーション効率化、若手育成の質的向上など、具体的な成果が表れています。
今回は、事業責任者の久保田氏に、導入の背景や活用方法、導入後の効果などについてお話を伺いました。

導入の目的

  • 商談や提案内容の属人化を解消し、品質のバラつきを改善する
  • ベテランコンサルタントの知見を言語化・体系化し、組織知へ転換する
  • 若手コンサルタントの育成を効率化・高度化する
  • 会議運営の生産性向上とプロジェクト進捗の可視化によりクライアント満足度を向上させる

導入前に抱えていた課題

  • コンサルティングナレッジが属人化し、ブラックボックス化していた状態にあった
  • ベテランの暗黙知を組織知に転換できておらず、若手の育成に課題があった
  • 情報共有や知識移転の仕組みが未確立で、非効率な状況にあった
  • 会議運営やプロジェクト進捗管理にムダが多く、生産性が低下していた

導入による効果

  • 資料作成時間を60~80%削減し、メールのやり取りを40%削減した
  • ベテランの暗黙知を形式知化し、若手育成を加速した
  • 会議のアジェンダやアクションが明確化され、プロジェクト進捗の可視性が向上した
  • クライアントの理解度や満足度が上がり、信頼関係が強化された

コンサルティングナレッジの属人化解消を目指し、デジタルセールスルームの導入を決断

Q1. 御社の事業概要と、今回openpageを導入された部門について教えていただけますでしょうか。

当社は、BtoB企業のマーケティングから営業までの一連のプロセスに対して、実行支援から組織構築まで幅広くご支援する会社です。今回openpageを導入したのは、デジタルセールスのコンサルティングを行う部門になります。この部門では、クライアント企業の営業DX(デジタルトランスフォーメーション)実現を目指して、デジタルセールス組織の立ち上げから、実際の運用課題の解決、さらには現場メンバーの育成まで、様々な課題を伴走しながら包括的にご支援しています。

Q2. 導入前、どのような課題を抱えていらっしゃいましたか。

最大の課題は、コンサルティングナレッジの属人化でした。特に事業責任者である私に集中している暗黙知をいかに組織の資産として活用できるかが喫緊の課題でした。また、クライアントへの情報提供も、その時のプロジェクトの状況に合わせて都度異なる方法で個別に共有しており、結果何がどこにあるのかも分かりづらく、体系的な知識共有の仕組みが確立できていませんでした。さらに、社内の若手メンバーの育成においても、ほぼ「背中を見て覚えろ」といった従来型のOJT(オン・ザ・ジョブトレーニング)に頼る部分が大きく、効率的な知識移転の方法を模索していました。

Q3. なぜopenpageを選択されたのでしょうか。他のソリューションも検討された中で、決め手となったポイントを教えてください。

主に2点が決め手となりました。

1点目は、共有コンテンツの構造化や言語化を通じて、コンサルティングノウハウの属人化解消につながると判断したことです。openpageでは、ある程度決まった型でドキュメントベースのレジュメ作成が必要となるため、構造化のスキル醸成が図れます。また、パワーポイントや図に頼らず、文章で言語化することを意識しやすいUIになっているのも魅力的でした。

2点目は、openpageを使うことで、アジェンダとアクションアイテムを軸に考えられるようになり、コンサルタント自身の頭の中の整理が進むことで生産性が向上すると考えたことです。従来のパワーポイントを使った場合は、一通り説明した後にファシリテーションの中でネクストアクションを決めていくイメージでしたが、文章ベースのopenpageではアジェンダをベースに進行するので最初からネクストアクションを意識した構成になります。さらに、そのネクストアクションをタスク管理に登録できるのも利点です。

特に重要なのは、クライアントとネクストアクションを確実に合意できる点です。この合意があることで、プロジェクトの進行がスムーズになり、脇道にそれづらくなります。また、我々提供者側も迷わなくなるため、次までに何をすべきかが明確になり、思考と作業の効率が上がります。結果として、クライアント満足度も自然と高まっていくのです。

Q4. 具体的な導入プロセスについて教えていただけますでしょうか。

まず、既存のコンサルティング資料の棚卸しから始め、どの知識をどのような形で体系化するか検討を重ねました。実際の導入は3フェーズに分けて進め、第1フェーズでは基本的なナレッジの整理と投入、第2フェーズではクライアントへの提供方法の確立、第3フェーズでは社内メンバーへの浸透を図りました。各フェーズで細かなPDCAを回し、約3カ月かけて本格運用に至っています。

Q5. 導入時に特に時間をかけられた点はありますか。

最も時間をかけたのは、暗黙知の言語化プロセスです。ベテランコンサルタントの持つ知見を、誰もが理解できる形で文書化することは想像以上に繊細な作業でした。そのため、ナレッジをアクションアイテムとフレームワークに変換してまとめ直し、openpageの共通コンテンツに掲載する記事と内容をリンクさせることで、提供者が扱いやすく、クライアントにとっても理解しやすいものを心がけました。

特に社内に向けては、openpageおよびその中にあるコンテンツ、フレームワークを道具として活用してもらいやすいように整えた点も工夫しました。

資料作成時間を最大80%削減、アジェンダとアクションを軸とした運用で生産性が向上

Q6. 現在、どのような用途で活用されていますか。

主に3つの用途で活用しています。

  1. 定例会などの会議体運営とプロジェクトの進捗管理です。アジェンダとフレームワークのコントロールにより、効率的な運営が可能になっています。
  2. 既存クライアント向けのコンサルティング提供です。プロジェクトの進捗管理から各種ナレッジの提供まで、一元的に管理・共有できるようになり、その閲覧状況も可視化できるため、クライアントの理解度を把握しながら、伴走支援の度合いを調整できるようになっています。
  3. 社内の人材育成です。特に若手コンサルタントの教育ツールとして活用しています。

Q7. 導入による具体的な効果について、数値も含めて教えていただけますでしょうか。

最も顕著な効果は、打合せに向けた資料作成時間の削減です。従来は、コンサルティングといえば、パワーポイントで資料作成というイメージが強く、内容の濃淡によらず、資料作成に相当の時間を費やしていました。しかし、openpageの導入後は、むしろ内容の充実に注力することの重要性を実感し、資料作成時間よりも、アジェンダやアクション、個別で詰めるべき論点の充実に時間を割くようになりました。その結果、従来のパワーポイントベースの資料作成と比較して、約60~80%の工数削減を実現できました。

また、コンサルタント自身がアジェンダとアクションアイテムを軸に考えられるようになったため、頭の中の整理が進み、生産性の向上を実感しています。さらに、若手コンサルタントの育成においても、体系的な知識共有の仕組みにより、従来より大幅に効率化されました。

一般的なドキュメントサービスでも同様の効果は得られますが、操作性とクライアントから見たUIの良さが、コンサルティングサービス自体の価値をさらに高めていると感じています。WordやOneNoteの場合、クライアントからも編集ができる点や、見た目が社内資料に近い印象となることから、openpageの方が成果物として体裁が整っていると考えています。

クライアントの自己解決力が高まり、若手育成の質も向上。社内外から高い評価

Q8. クライアントからはどのような反応をいただいていますか。

非常に好意的な反応をいただいています。特に評価が高いのは、必要な情報にいつでもアクセスできる点です。従来は都度問い合わせが必要だった内容も、自己解決できるようになったという声を多くいただいています。また、情報の一元管理により、プロジェクトの進捗状況が明確になった点も高く評価されています。

さらに、従来のような資料配布形式と比べて、openpageでは閲覧状況や理解度の把握が容易になりました。クライアント企業のマネージャーからは、「現場メンバーのアクセス状況を可視化できることで、育成計画の立案や進捗管理に活用できる」という声もいただいています。実際、コンテンツの閲覧履歴を見ると、クライアントが提供資料を繰り返し確認し、じっくりと内容を読み込んでいることがわかります。

最も手応えを感じているのは、クライアントの主体的な活用です。クライアントが自らopenpage上のコンテンツを引用しながら、業務上のアウトプットに活用している事例が増えています。このように、提供したノウハウが着実に吸収され、実践に移されていることを実感できています。

Q9. 社内のメンバーの反応はいかがですか。

現時点では私を中心とした限定的な運用を行っていますが、これまでの使用を通じて、その効果や価値が社内で広く認知されてきました。特に若手メンバーからは、アクションアイテムやフレームを型として活用しながら、クライアントとのコミュニケーションがイメージしやすくなったという声が上がっています。また、先輩コンサルタントのナレッジに体系的にアクセスできることへの期待も寄せられています。

さらに、他の事業部門からも注目を集めており、異なるサービスラインでの活用可能性も検討され始めています。

Q10. 運用面で工夫されている点はありますか。

運用面で特に注力しているのは、クライアントの自走を支援する伴走型のアプローチです。私たちが大切にするコンサルティングの在り方は、クライアントが自律的に課題解決できるようになることです。単なる作業の代行ではなく、常にクライアントの成長を意識した伴走支援を心がけています。

具体的には、openpageを通じて提供する情報の粒度や順序を型に沿って配置するなど工夫し、クライアントが段階的に理解を深められるよう設計しています。

Q11. 若手メンバーの育成において、具体的にどのような効果が出ていますか。

学習の自律性が高まったことに加え、OJTの質も大きく向上しています。特筆すべきは、openpageを活用することで、断片的な知識の習得ではなく、コンテキストを踏まえた深い理解が可能になった点です。

例えば、クライアントとの打ち合わせに同席する際も、提案内容やネクストアクションの背景にある思考プロセスまで理解できるようになり、より効果的な学習が実現しています。また、必要な知識を自ら見つけ、学習を進められるようになったことで、OJTとOFF-JT(オフ・ザ・ジョブトレーニング)を効果的に組み合わせた育成が可能になっています。

生成AI活用でコンテンツ作成を効率化、他業務プロセスへの展開も視野に

Q12. 導入後に新たに見えてきた課題はありますか。

新たな課題としては、コンテンツ作成のリソースバランスが挙げられます。質の高いコンテンツを継続的に作成・提供していくために、効率的な制作プロセスの確立が求められています。また、ファシリテーションのスキル向上も引き続き課題だと認識しています。アジェンダとアクションアイテムは整理されましたが、その円滑な進行についてはopenpage以外のサービスも踏まえた改善案を検討したいと考えています。

Q13. その課題に対して、どのような対策を講じていますか。

これらの課題に対して、様々な取り組みを進めています。特に、生成AIを活用したコンテンツ作成の効率化は大きな成果を上げています。AIを活用することで、基礎的な文書構造の作成や、データの整理などを効率的に進められるようになりました。

また、ファシリテーションスキルの向上については、先輩コンサルタントが実施した定例会の録画動画を見ながら、アジェンダとファシリテーションを照らし合わせて振り返ることで、イメージトレーニングがしやすくなり、効率的なスキル向上が実現できる見込みです。

Q14. 今後の展開についてお聞かせください。

まず、openpageを扱えるコンサルタントを増やしていきたいと考えています。また、既存顧客への営業プロセスへの展開も計画しています。将来的には、新規顧客への提案プロセスでの活用や、人材紹介、マーケティング戦略など、近接領域への展開も検討していきたいと考えています。

Q15. 投資対効果についてはどのように評価されていますか。

導入から約1年が経過し、その効果は期待を大きく上回るものでした。特に資料作成やコミュニケーションの効率化による生産性の向上は、非常に大きな価値を発揮しています。また、若手育成の質的向上、クライアント満足度の改善など、多面的な価値を生み出しています。

現在では、我々のコンサルティング業務になくてはならないツールとして定着しており、今後さらなる活用の拡大を検討しています。

Q16. 最後に、今後のビジョンについてお聞かせください。

デジタルセールスのコンサルティングを提供する当社にとって、openpageの活用は単なる業務効率化以上の意味を持っています。私たちは自社での活用経験を通じて、デジタルセールスルームの効果を実感として理解することができました。

今後は、生産性と再現性の高いコンサルティングサービスを通じ、世の中の営業DXを加速させていきたいと考えています。openpageは、プロジェクトを強力に推進する重要なツールとして高く評価しており、当社のプロジェクト運用のナレッジもクライアントに伝えながら、多くの顧客に価値ある体験を提供していきたいと考えています。

ーありがとうございました!エムエム総研様のさらなる成長に役立てるよう、openpageも改善を進めてまいります。

※掲載情報は、取材当時(2025年1月)のものです。

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事業内容

エムエム総研は、デジタルセールス&マーケティングの専門企業として、「デジタルマーケティング」「営業DXコンサルティング」「デジタルセールス人材採用」という3つの事業を展開。 意志を持って新たな領域に挑戦する「人」と「企業」を支援します。

顧客との商談状況を完全に可視化し、データを基にして的確な営業戦略を立案。個人のスキルアップのみならず、組織全体の営業力を大幅に強化。 営業のためのDXプラットフォーム「openpage」。全貌を、特別資料にてご覧いただけます。