「"塩漬けDX"を撲滅する」openpage代表が語る営業DX革命と組織づくりの真髄

  • 公開日:2025年6月14日(土)

DSRの業界標準を作っている自負があります」──こう語るのは、株式会社openpage代表取締役の藤島誓也氏だ。デジタルセールスルーム(DSR)領域で圧倒的な存在感を放つ同社は、大手企業から地方の中小企業まで幅広い顧客基盤を持ち、「営業DXといえばopenpage」と言われる存在へと成長している。その原動力となっているのが、現場主義と多様性を両立する独自の組織づくりだ。

カスタマーサクセス支援から見えた"塩漬けDX"の実態

openpageの原点は、意外なところにあった。

「openpageは元々、クラウドツールの現場導入により期待ROIを実現するカスタマーサクセスを支援する事業でした」と藤島氏は振り返る。

様々なSaaSの現場を見る中で、深刻な問題に直面したという。

「特にセールステクノロジーの現場定着率の低さやROIの不透明性があるにも関わらず、高単価な契約が長期で結ばれてしまい、抜け出せない状況に強い違和感を感じました」

藤島氏が指摘するのは、投資対効果の根本的な矛盾だ。

営業は会社の中で最も重要な収益エンジンで、最もDX投資の効果が高いはずの領域です。本来、バックオフィスより投資価値があるはずなのに、費用対効果があいまいで、むしろ現場の負担になっているのが従来のセールステクノロジーでした」

根本から異なる市場創造への挑戦

この問題の本質を見抜いた藤島氏は、同時に巨大なビジネス機会も発見していた。

「営業DXの市場は現状でも大きいのですが、まだまだ全く異なる成長角度で大きくなると予想しています。現在は都内の一部の企業しか使って営業成果を出していませんが、openpageが営業成果の出るものを全国あらゆる規模の会社に提供すれば、現状の営業DX市場とは根本から異なる市場を創ることができます」

この大胆なビジョンに深く共感したのが、キヤノンマーケティングジャパン株式会社だった。

資本提携したキヤノンMJ様も同じ想いを持っています。単なる投資ではなく、真のパートナーシップを築いています」

「塩漬けDX」の正体を暴く

従来のセールステックが抱える問題は、想像以上に根深い。

経営層に売りつけて現場が使わない、あるいは無理やり使わせてもROIが出ない。そもそも多くの企業がDXと言っているものも、実際は社内のデータベース化に過ぎません」

藤島氏の指摘はさらに厳しい。

顧客接点のデジタル化になっていないし、通常業務にプラスαで使わせる仕様だから、現場は面倒に感じてしまいます。これはカスタマーサクセスとは程遠いベンダーの金儲けです」

openpageのアプローチは根本的に異なる。

データベースを眺めるだけでは営業は改善しません。データからいかに顧客を動かす価値のある提案ができるかが、営業では最も重要なのです」

数万人のデータが証明する科学的営業手法

openpageの真の価値は、その科学的なアプローチにある。

「openpageのDSRは、顧客への提案内容やコミュニケーションの細部まで直接改善します」

数万人を超える利用データの分析に基づく、徹底した科学的手法だ。

「営業において成約に至るまでに必要な営業活動を合理的に設計し、openpageのシステムで運用する。このデジタルドリブンな営業コンサルティングに、コンサルティング業界の企業も注目し始めています」

結果として、SaaS未経験の企業でも「最初のITツール」として選ばれ、地方の都市部から離れた企業にも多数の導入事例がある。

日本市場で間違いなく他社を圧倒する導入効果を出し、今では競合もopenpageを真似し始めています。グローバルでも類を見ないノウハウを蓄積できています」

Salesforceを超える技術力と2.5倍の生産性

この成果を支えるのが、他社を凌駕する開発力だ。

「私自身、米国のセールステクノロジーに精通しており、日本でエンジニア経験があるセールステック起業家は私くらいしかいません」

有名企業出身のCTOを中心に、生成AIやDevinなどの最新ツールを駆使し、通常のエンジニアチームの2.5倍の生産性を実現している。

開発・運営体制も充実している。カスタマーサクセスとプロダクトマネジメントにはアドビのプロフェッショナルである児玉氏、デザイナーには大手SaaS/インターネット企業の部長レベル以上の人材を3名体制で配置している。

野心はさらに大きい。

「大手企業ではSalesforceを超えるつもりです。SaaSの生みの親であるSalesforceを超える存在を目指しています」

女性誌メディア出身が生んだ多様性組織

openpageの組織の最大の特徴は、その圧倒的な多様性にある。20代中盤から50代前半まで、外資・大手・メガベンチャー・スタートアップ・起業経験者がバランスよく在籍している。

「マーケターがカスタマーサクセスを担当したり、カスタマーサクセス経験者が営業に挑戦するなど、徹底した言語化で誰もが挑戦できる環境を作っています」

この多様性を可能にしているのが、藤島氏の異色の経歴だ。女性誌メディアでの広告商品開発を経験してきた。

「恋愛、生活、暮らし、ビジネス、マネーなど様々なメディアの仕事で、価値観や前提情報が異なる読者に、どう情報提供すれば伝わるのかを考え抜いてきました。その思考プロセスが営業コミュニケーションにも活きています」

組織運営では年功序列を嫌い、クリティカルシンカーの集団を目指している。

「年齢や役職は上でも仕事の目線が低ければ謙虚な姿勢でいつつも、ハッキリ言います。現場のオペレーションこそ重要だと考えています」

80ページ暗唱する驚異的な育成システム

openpageの育成システムの凄さは、その徹底ぶりにある。

特に圧巻なのは、80ページ近くある会社の重要アクションが記載されたドキュメントを全員がほぼ毎日見て、暗唱できるレベルまで体得していることだ。

「体現していて、これを使って顧客に提案もしています。暗唱や体現のレベルを超えて社外への啓蒙活動まで行っています」

外部との連携も積極的だ。

外部の営業書籍を出版しているプロフェッショナルとも多数交流し、openpageだけの勉強会や交流会も実施しています」

1000ページのノウハウと「夜遅くまで語り合う」文化

ノウハウの蓄積も圧倒的だ。1000ページ近くのノウハウをデジタル化し、Claude等の生成AIを全社員分購入してチェックリスト化。公平な評価システムを構築している。

社員のキャリア希望や挑戦は100%叶う仕組みです。ボトムアップの新規事業も実際に事業化が決まり、予算化されています」

働き方の多様性も特徴的だ。家族や趣味を大切にしたい方から仕事に打ち込みたい方まで、あらゆる価値観を尊重。山登り、グルメ、ゴルフ、温泉サウナなどの部活動も盛んだ。

時には夜遅くまで語り合うこともあります」と藤島氏は笑う。「openpageに入社してから結婚したりマンションを購入する社員もいます。副業もOKで、スタートアップのアドバイザリーや自分の会社を持つ人もいます」

社内の仕組みも充実している。毎日の朝礼、週次1on1、月次OKRミーティング、半期合宿を通じて、openpageが考える営業のあり方を全社員が共通言語として体得している。

「openpageのバリューから外れた我流すぎる提案には厳しくフィードバックします。一方で、体現している社員とは豪勢なグルメを一緒に楽しみます。メリハリをつけることで、みんなが自分らしく働ける会社にしたいのです」

業界をリードする圧倒的な実績

戦略の成果は具体的な数字にも表れている。キヤノンMJとの資本提携をきっかけにエンタープライズ市場での導入が急増し、業界リーダーであるセレブリックスやスマートキャンプなどともアライアンスを構築。

展示会では圧倒的な商談設定数を記録し、メディアからの注目度も高く、ITmediaでは最多のコンテンツ執筆数を誇る。

「すでに感度の高い大手企業がopenpageをどんどん導入し、パートナーとしての取り組みにも日本を代表する大手企業が次々と名乗り出ています

営業DXの新基準から世界基準へ

最後に今後のビジョンについて伺うと、藤島氏の表情が一段と引き締まった。

「今後も**"営業DXの新基準"を創り、日本発で世界でも戦えるサービス**にしていきます。現場で本当に成果が出るツールを作り続け、グローバルでも通用するノウハウを蓄積していく。それが私たちの使命です」

現場主義を貫き、多様な人材が挑戦し続ける環境を整備してきたopenpage。"塩漬けSaaS"の問題を解決し、真のDXを実現する──。その革新的な取り組みが、営業DXの常識を変え、日本のビジネス界に新たな可能性をもたらそうとしている。

 

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