ライター: 本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。株式会社openpageの採用戦略について、代表取締役の藤島さんにお話を伺います。まず、営業領域だけでなく、採用領域のプラットフォームを提供されているopenpageとして、ご自身の採用戦略にはどのような特徴があるのでしょうか?
藤島誓也: ありがとうございます。私たちopenpageの採用戦略は、大きく4つの柱で構成されています。第一に「多様な人材が公平に評価されるプロセスの標準化とスケール」、第二に「候補者体験の最適化」、第三に「採用後のオンボーディング・定着率の向上」、そして第四に「ダイバーシティ&インクルージョンの徹底」です。これらすべてをデータドリブンで最適化していくことが、私たちの根幹にある考え方ですね。
ライター: 「プロセスの標準化とスケール」について、具体的にはどのような取り組みをされているのでしょうか?
藤島誓也: 実は、私たち自身がopenpageのツールを採用活動で使っているんです。面接官や選考プロセスの属人性を完全に排除し、どの規模でも一貫したクオリティで本質的な選考ができるようにしています。各回の採用面談で何を話すかはデジタル上で設計されており、60分の面談や面接においてどういう時間配分で何を話すかまで、すべてデジタル管理しています。
例えば、面接官のレベルに関係なく、同じ基準で候補者を評価できる仕組みを構築しています。これにより、会社が成長し採用規模が拡大しても、選考の質を保つことができるんです。スタートアップから大企業まで、どの成長フェーズでも対応できる採用システムを目指しています。
ライター: 採用において「候補者体験」を重視されているそうですが、どのような工夫をされていますか?
藤島誓也: 候補者の皆さんには「openpageの選考を受けてよかった」と感じていただける体験を全員に提供することを心がけています。ただ選考で見極めるだけでなく、その方のキャリア可能性を最大化する仮説をopenpageとして立て、新しいキャリアラダーがイメージできるようにしています。
具体的には、既存のキャリアを尊重しつつ、新しい観点や可能性も提示し、面接自体が候補者のキャリアに役立つ時間になるよう設計しています。不合格になった方でも「あの面接は自分にとって学びになった」と感じていただけるような体験を目指しているんです。
私は元々ビズリーチで採用面談について数百名以上にレクチャーしてきた経験があり、その知見を活かして候補者の方々に価値のある時間を提供できるよう努めています。結果として、口コミやリファラルが自然発生的に増えるという好循環を生み出しています。
ライター: 採用後の定着率についてはいかがでしょうか?
藤島誓也: 採用した人材の定着率・活躍率は業界トップクラスで、ミスマッチが極めて少ないことが特徴です。外部に露出しているようなタレント人材や超有名企業出身者もopenpageでは活躍しています。
これを実現するために、オンボーディングのための細かいナレッジマネジメントを行っています。入社後に関わる人、期待する仕事、目標、必要なナレッジ、生の顧客の声まで細かく共有し、経営マイルストーンを共有してOKRを共同で組み立てることで、経営視座感を持って仕事に取り組めるようにしています。
つまり、採用時点から入社後の活躍まで一気通貫で設計しているということですね。採用はゴールではなく、その方が長期的に活躍するためのスタート地点だと考えています。
ライター: ダイバーシティ&インクルージョンについて、具体的な取り組みを教えてください。
藤島誓也: 性別・年齢・国籍・バックグラウンドを問わず、多様な人材が偏りなく採用・活躍できる環境を作っています。年齢については幅広く、創業メンバーには50〜60代のメンバーもいました。
私自身、以前は女性メディアの仕事で多くの女性の営業担当・編集者・モデル・お客様などと仕事をしていた経験があります。バックグラウンドも金融、人材、IT、通信、広告など様々な業界出身者が在籍しており、国籍についてもopenpageの初期開発メンバーには韓国出身者や米国出身者が在籍していました。
重要なのは、多様性を「持つ」だけでなく、それぞれの強みを「活かす」ことです。異なる視点や経験が組み合わさることで、イノベーションが生まれると信じています。
ライター: 最後に、データドリブンな採用最適化について詳しく教えてください。
藤島誓也: 採用活動の全プロセスがデータで可視化され、継続的な改善サイクルが回っています。採用における面談・面接のコミュニケーションをopenpageでデジタル化し、自社のツールで候補者向けのリクルーティングコンテンツを設計しています。
データを見ながら社内で候補者に対するコミュニケーションプランニングを立てることで、より効果的な採用活動を実現しています。例えば、どの段階で候補者の関心度が高まるか、どんなメッセージが響くかなど、すべて数値で把握できています。
このアプローチにより、感覚的な判断ではなく、データに基づいた客観的な採用戦略を構築できているのです。PDCAサイクルを高速で回すことで、採用の精度と効率を同時に向上させています。
ライター: 素晴らしい取り組みですね。これらの採用戦略を実践されてきて、特に印象的だった成果や事例があれば教えてください。
藤島誓也: 印象的な事例としては、他社で思うような成果を出せなかった方が、openpageで大きく飛躍されたケースがありますね。その方は前職では評価されにくい環境にいたのですが、私たちの選考プロセスでその方の本質的な能力と可能性を見抜き、適切なポジションで活躍していただくことができました。
また、選考で不合格になった方から「あの面接で新しい視点をもらえて、その後のキャリアに活かせた」というお声をいただくことも多いです。これこそが、私たちが目指している候補者体験の成果だと思います。
ライター: 今後の採用戦略の展望についてお聞かせください。
藤島誓也: 私たちは自社の採用戦略を通じて、採用における新しいスタンダードを作っていきたいと考えています。openpageのツールを使って実現している採用プロセスの標準化や候補者体験の最適化を、より多くの企業に提供していくことで、日本全体の採用文化を変革していきたいですね。
多様性を尊重し、データに基づいた公平な評価を行い、すべての候補者にとって価値のある体験を提供する。これが、これからの時代に求められる採用のあり方だと確信しています。
ライター: 本日は貴重なお話をありがとうございました。
藤島誓也: こちらこそ、ありがとうございました。
大手企業から中小企業・地方企業にも選ばれているデジタルセールスルーム:openpageの資料ダウンロードはこちら