「商談は盛り上がった。資料も送った。なのに、返信が来ない——」
BtoB営業をしている方なら、一度はこの経験があるのではないでしょうか。
実は、BtoB商談の約8割は初回商談後に失注していると言われています。しかも、その多くは「検討します」のまま自然消滅。明確な理由も分からないまま、案件がフェードアウトしていく。
なぜ、せっかくの商談が消えてしまうのか?
そして、どうすれば「返信が来ない問題」を解決できるのか?
この記事では、多くの営業組織が見落としている「商談後に起きていること」と、その解決策をお伝えします。
なぜ「盛り上がった商談」が消えるのか?
商談後、顧客の社内で何が起きているか
商談中、担当者は確かにあなたの提案に興味を持っていました。
しかし、商談が終わった瞬間から、担当者には別のミッションが始まります。
「社内を説得する」というミッションです。
BtoB購買では、担当者一人で決裁できることはほとんどありません。
上司、現場社員、決裁者——複数のステークホルダーを巻き込み、承認を得る必要があります。
そのとき、社内で何が起きているか想像してみてください。
- 上司:「で、いくら儲かるの?」
- 現場社員:「また新しいツール?本当に必要?」
- 決裁者:「なんでこの会社なの?他社と比較した?」
担当者は、あなたの代わりに社内を説得しなければならないのです。
担当者に「武器」を渡せていますか?
ここで問題が発生します。
商談後、担当者の手元に残っているものは何でしょうか?
- 50ページのPowerPoint資料(開かれない)
- 「ご不明点があればご連絡ください」というメール
- 口頭で聞いた説明の断片的な記憶
これで社内を説得できますか?
担当者は、上司に「なぜこの製品が必要なのか」を自分の言葉で説明しなければなりません。
決裁者に「ROIはどうなのか」を数字で示さなければなりません。
現場に「どう業務が変わるのか」を具体的に伝えなければなりません。
しかし、その「武器」を渡せていない。
だから、商談が消えるのです。
「頑張っているのは営業だけ」問題
こんな営業していませんか?
多くの営業組織で、以下のような営業スタイルが「当たり前」になっています。
| やっていること | 結果 |
|---|---|
| 口頭で製品資料を読み上げるだけ | → 翌日には忘れられている |
| ヒアリング内容を整理・共有しない | → 担当者が社内で説明できない |
| メールで資料を送って終わり | → 50ページのPDFは開かれない |
| 電話で「ご検討いかがですか?」 | → 嫌われて終わり |
これらに共通しているのは、「頑張っているのは営業だけ」ということ。
営業は一生懸命提案している。
でも、顧客は何も動けていない。
商談後、顧客が社内で検討を進めるための「仕組み」がないのです。
トップ営業は何が違うのか?
では、同じ商材を扱っていても、なぜ成績が10倍違う営業がいるのでしょうか?
データを分析すると、明確な違いが見えてきます。
| 商談の進め方 | トップ営業 | 平均的な営業 |
|---|---|---|
| ROIの議論 | 6倍多い | 1倍 |
| 決裁者への働きかけ | 10倍多い | 1倍 |
| 購買プロセスの把握 | 3倍多い | 1倍 |
トップ営業は、「顧客が発注しやすい情報」を渡しているのです。
- 課題が整理された議事録
- ROI試算
- 決裁者向けサマリー
- 比較検討用の情報
つまり、顧客が社内を動かせる「武器」を渡している。
トップ営業がよく言う言葉があります。
「お客様がうまくいくまで入り込む」
しかし、これは「言語化」が難しい。だから組織に広まらない。
結果として、営業成績は属人化したままになっています。
「返信が来ない」を解決する新しい営業の形
顧客が求めているものは何か?
ここで、視点を変えてみましょう。
顧客が発注するために必要なものは何か?
- 課題が整理された議事録(自分の言葉で説明できる)
- ROI試算(上司を説得できる)
- 決裁者向けサマリー(稟議を通せる)
- 比較検討用の情報(「なぜこの会社か」に答えられる)
現状の営業が渡しているものと、顧客が求めているものには、大きなギャップがあります。
| 現状の営業が渡すもの | 顧客が求めているもの |
|---|---|
| 50ページのPowerPoint | 課題が整理された議事録 |
| 「ご不明点があれば…」メール | ROI試算 |
| 製品カタログ | 決裁者向けサマリー |
| 口頭での説明 | 比較検討用の情報 |
何を渡せば発注に至るか、分かっていない。だから7割が失注する。
「顧客と一緒に受注までやり切る」という発想
この問題を解決するには、営業の考え方を根本から変える必要があります。
「営業が頑張る」から「顧客と一緒に進める」へ。
具体的には、以下の3つを実践します。
1. 課題を一緒に整理する
→ 顧客が自分の言葉で説明できるようになる
2. ROI・決裁者を意識した提案をする
→ 顧客が上司を説得できるようになる
3. アクションを明確にする
→ 顧客が社内で主体的に動けるようになる
結果として、顧客の「社内説明力」が上がる。
だから受注する。
これが、営業だけでなく顧客にも頑張ってもらう「バイヤーイネーブルメント」という考え方です。
「見えない」を「見える」に変える
商談後、顧客は本当に検討しているか?
もう一つ、重要な問題があります。
商談後、顧客が本当に検討しているかどうか、分からない。
メールを送っても返信がない。
電話しても「検討中です」としか言われない。
SFAに入力しても、それは営業の主観でしかない。
「顧客の熱量」が見えないのです。
結果として、以下のような非効率が生まれます。
- 検討が止まっている案件に、延々とフォローし続ける
- 熱量が高い案件を見逃して、競合に取られる
- 「そろそろどうですか?」の電話で、関係を悪化させる
閲覧数=成約確度
実は、顧客の検討状況を数字で把握する方法があります。
それは、「顧客が情報をどれだけ見ているか」を計測すること。
データを分析すると、明確な相関が見えてきます。
| 閲覧回数 | 受注率 |
|---|---|
| 5回未満 | 5% |
| 5〜15回 | 15% |
| 15回以上 | 35% |
閲覧15回を超えると、受注率が7倍になる。
なぜか?
たくさん見られている=社内で展開されている=受注する。
この「見える化」ができれば、次の一手が分かります。
- 閲覧ほぼなし → 停滞中、再アプローチが必要
- 閲覧が増加中 → 関心あり、決裁者へのアプローチ準備
- 閲覧多数+複数人 → 社内検討中、クロージングへ
営業の「見えない」をすべて「見える」に変える
従来の営業 vs 新しい営業
ここまでの内容を整理すると、営業のあり方は大きく変わります。
| 従来の営業 | 新しい営業 |
|---|---|
| メールで送るだけ | URL1本で専用ページを共有 |
| 返信を待つしかない | 閲覧データで状況が見える |
| 顧客が見たか分からない | 誰が何を見たか可視化 |
| 個人の勘と経験頼み | 型があり、再現できる |
| 顧客が社内を通せない | 顧客の社内説明力が上がる |
見える、再現できる、顧客も動かせる。
これが、「返信が来ない」を解決する営業の新常識です。
具体的に何をすればいいのか?
では、具体的にどう実践すればいいのでしょうか?
ステップ1:顧客ごとの「専用ページ」を作る
バラバラにメールで送るのではなく、1つのページに情報を集約します。
- 課題の整理
- 提案資料
- ROI試算
- 次のアクション
顧客と営業が同じ画面を見ながら、一緒に商談を進める形です。
ステップ2:閲覧データを見る
顧客がどのコンテンツを、いつ、何回見ているかを把握します。
- 閲覧が止まっていれば → 再アプローチ
- 閲覧が増えていれば → クロージング準備
- 複数人が見ていれば → 社内検討中と判断
ステップ3:型を作り、組織に広げる
トップ営業の商談の進め方を「テンプレート」にします。
- ヒアリング項目を標準化
- 提案の流れを型にする
- 渡す資料を事前にセット
- ネクストアクションを組み込む
これで、属人化していた営業を、再現可能な仕組みに変えられます。
まとめ:顧客と一緒に、受注までやり切る
BtoB商談の8割が初回で消える——
この問題の本質は、「顧客が社内を動かす武器を渡せていない」ことにあります。
解決策は、以下の3つです。
- 顧客が発注しやすい情報を渡す(課題整理、ROI、決裁者向けサマリー)
- 顧客の検討状況を見える化する(閲覧データで熱量を把握)
- 売れる型を組織にインストールする(テンプレート化で再現性を確保)
営業だけが頑張るのではなく、顧客と一緒に受注までやり切る。
これが、「返信が来ない」を解決する営業の新常識です。
年間5億円。取り戻せる売上を計算してみませんか?
あなたの営業組織は、毎年「受注できたはずの案件」をいくら失っていますか?
年間商談数 × 受注単価 × 突破率の差 = 取り戻せる売上
例えば、年間500件の商談があり、受注単価が300万円の場合。
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