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【最初の1ヶ月】カスタマーサクセスの部門立ち上げ方法とは?

  • 公開日:2022年9月18日(日)

 

 

今回はカスタマーサクセスの部門を立ち上げる際に抑えておくべきポイントをご紹介します。
今回の記事は、カスタマーサクセス部門の部長や役職者の方にぜひ読んでいただければ幸いです。

立ち上げのポイント①:自社の「カスタマーサクセスとは?」を社内で擦り合わせる

なぜカスタマーサクセスの取り組みをするのか?

カスタマーサクセスは、定義が非常にふわっとしています。
そのため、自社にとって「カスタマーサクセスとは何か?」という定義付けをすることがまず重要になります。
つまり「企業として、なぜカスタマーサクセスを取り組むべきか?」について、社内での目線合わせをすべきということです。

各企業でカスタマーサクセス部門の立ち上げが進んでいますが、
前提としてSaaS(Software as a Service)やクラウドへのシフト、DX(Digital Transformation)や製造業のサービス化といった変化があります。

その中で、ビジネスモデルとしては「契約時に売上をショットでいただく」というよりは、サブスクリプションモデルとして「月額で売上をいただく」という形に変わっていきます。

このサブスクリプションベースの売上を最大化させるための手段や施策、チームとしてカスタマーサクセスの取り組みを開始する、ということを社内でコンセンサスを取るべきです。

売上の最大化を実現するためには、お客様に製品を使っていただくためのオンボーディングの仕組みや、契約済みのお客様の状況を管理するための健康状態=ヘルススコアの計測が必要になります。

LTVのシミュレーションをする

財務的にはサブスクリプションモデル=継続的な売上が発生する形になりため、カスタマーサクセスの取り組みを通じて、どのぐらいのLTV(Life Time Value)を見込めるのか、という点も重要です。

その意味で立ち上げ時には、LTVのシミュレーションをしましょう。
LTVの計算式は、<お客様との契約継続期間>×<毎月の請求月額単価>になります。
■参考記事:【継続率】LTVを向上させれば売上がめちゃくちゃ安定します!

LTVの観点で言えば当然ながら、契約期間が長い方が良いです。

毎月の単価も高い単価で設計できるに越したことはないため、カスタマーサクセスの取り組みを行うことで、契約の期間がどれくらい伸びるのか、かつ、単価もどのぐらい請求できるのか、を確認した上で、「結果的にLTVとして、これくらいのインパクトがあります」というシミュレーションを最初にする必要があります。

経営者目線でもカスタマーサクセスの取り組みを進める上で「財務的なメリット」があるとわかることが重要なので、まずは会社全体でのカスタマーサクセスの取り組みに対する合意形成が最初の取り組みになります。

立ち上げのポイント②:カスタマーサクセスのジャーニーモデルを定義する

「3つの型」ごとにやるべきことを定義する

カスタマーサクセスにはオンボーディング・アダプション・エキスパンションという「3つの型」があります。
■参考記事:カスタマーサクセスが身につけるべき7つのスキルとは?

この型に1回当てはめた上で、「自社の製品のカスタマーサクセスではどのようなことができそうか?」を定義することが、立ち上げ期には重要です。

例えば
「オンボーディングのフェーズでは、XXの資料を使ってこのように案内する」
「オンボーディングからアダプションのフェーズに移る時には、XXを行う」
等、フェーズごとにやるべきことを決めましょう。

その上で、1つの製品でその「型」の通りにカスタマーサクセス業務を運用して試してみてください。

「短期的に取れる指標」を計測して仮説を立てる

LTVが重要とお話しましたが、「お客様との契約継続期間」はこうした取り組みを行って伸びるか伸びないか、が判別しづらいことがネックです。
例えば「契約期間が20ヶ月から30ヶ月に延びます!」と言っても、2〜3年先の未来の話であり、遅行指標であるためです。

そのため、「こんな兆しがあれば契約継続期間が伸びそう」といった先行指標とも言うべき指標を取って、社内でレポーティングをする必要があります。

例えば契約後のお客様の製品の利用状況は代表的な指標になるでしょう。
これはログインデータ等があれば計測することが可能です。

他にはNPS(ネットプロモータースコア)のようなお客様の満足度が挙げられます。
これも月に1度アンケートを実施する等の取り組みで計測できます。

このように「短期的に取れる指標」を1度計測した上で、
こういった指標をもとに「カスタマーサクセスの取り組みによって改善できる余地があるのか?」という観点で考えることができ、
さらに、「カスタマーサクセスの取り組みによってこの指標が伸びる(だから、LTVの最大化にも貢献しうる)」という仮説を立てることができます。

こういった準備ができて初めて、「カスタマーサクセスに積極的に投資したい・投資すべき!」と社内で言えるようになるでしょう。

立ち上げのポイント③:カスタマーサクセスの取り組みにかけるリソースを増やす

カスタマーサクセスのリソースを考えるステップ

「カスタマーサクセスの取り組みを進めればLTVや売上が伸びそう」という実感を得られたら、そこで初めてカスタマーサクセスのリソースを増やしていくステップに移ります。

具体的には、上述したカスタマーサクセスの「3つの型」ごとに、例えば、
「オンボーディングのプロセスはこんなことをやった方がいいのではないか」
「このぐらいの人員で、お客様とこんなコミュニケーションを取って」
・・・といった具合にやるべきことを細分化していくことです。

そうすれば自ずと「必要なリソース」が明確化されてきます。
その上で「ではこういう人を採用すべきでは?」等、より具体的なアクションに落ちていくのです。

このプロセスを何回も繰り返し繰り返し、やっていくっていうことが必要です。
スタートアップの立ち上げでも「いきなりリソースを増やしすぎた」ことがよくある失敗として挙げられます。
繰り返し仮説検証しながら取り組みを進めていくことが肝心です。

カスタマーサクセスとしてのコア業務を決める

また、予算の観点でも、カスタマーサクセス部門としていきなり大きな予算を取ってしまうと、「予算を消化するために、なんとなくやっている意味のない業務」が生まれてしまいがちです。

お客様に価値を提供できる業務に集中すべきであり、それ以外の業務を削ぎ落とし、「カスタマーサクセスでやるべきコア業務」を確立していきましょう。
その上で、まずはボトムアップで業務や取り組みを積み上げていきましょう。

カスタマーサクセスとしてのゴールイメージをセットする

もちろん、ただボトムアップの積み上げだけであれば、メンバーもリーダーも「どこに向かえばいいのだろう?」と路頭に迷ってしまうこともあると思いますので、しっかりとゴールイメージを持っておくことも重要です。

ゴールイメージを保つためには、「既にうまくいっている企業のカスタマーサクセス部門の組織図」を参考にすることも一つの手です。
海外企業とか国内のSaaSベンダーが「うちのカスタマーサクセス組織はこういう風に取り組みを進めています」とWEB上で公開しているケースもあります。

組織図を見れば「この会社は組織のどこに、何をやるためにどんな人をアサインしているのか」が読み取れますので、組織図を分解しながら、「おそらくうちの会社でも、ゆくゆくはこんな取り組みが必要なんだろうな」と頭の中で思い浮かべながら、業務を作っていくことができるでしょう。

まとめ

本稿では、カスタマーサクセスの立ち上げのポイントとして下記三点をご紹介しました。

  1. 自社の「カスタマーサクセスとは?」を社内で擦り合わせる
  2. カスタマーサクセスのジャーニーモデルを定義する
  3. カスタマーサクセスの取り組みにかけるリソースを増やす

事業の立ち上げやその後の事業成長等、事業の成長フェーズに伴ってカスタマーサクセスとしてやるべきことも変わっていきますので、その都度組織や取り組み内容を設計していくことが重要です。

本ブログおよびYoutubeでは、カスタマーサクセスの取り組みに関わる様々な考え方やTipsをご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

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